西森氏が続ける。
「今年は、1月に『SEDAI WARS』『ホームルーム』(いずれもMBS)のふたつのドラマで同時に主演。特に小林勇貴監督の『ホームルーム』では、表向きはさわやかな人気者なのに、女子生徒へのいじめを自作自演し、そのことで女子生徒から頼りにしてもらおうとしているストーカー教師という、一言で説明しただけでは、なかなかその真意が伝わりにくい、ある意味難しい役を演じました。この作品では、山田さんが倒錯した愛情を抱いた主人公の気持ち悪さ、罪深さ、加害性などをしっかりと演じきったことで、ただ“センセーショナル”なだけで終わらないものになっていました。
泥臭い役やカッコ悪い役にも果敢に取り組む姿が良いなと思える俳優なので、今後もいろんな役を演じてほしいですね」
山田は2017年7月13日、〈ほんとちょっと前までは電車賃どうしようとか飯どうしようとか7年経って、いろいろお仕事もやらせてもらって、充実させてもらって、贅沢は出来ないけど普通にごはんが食べられる。友達と一緒に普通に飯が食べられる。幸せだなぁって今言葉が漏れたから呟く。(笑)感謝だ。ありがてぇ〉とツイートしていた。正統派イケメンである山田だが、ひと筋縄ではいかない役柄を演じる機会が多かった。しかし、その経験が大きな武器となり、現在では、人気と実力を兼ね備えたカメレオン俳優として評価されている。
しかし、山田が公言する“最終目標”は、「死んだときにニュースになるような俳優、緊急速報で出る俳優」だ(「Yahoo!ニュース」インタビュー記事での発言より)。道のりは順調とはいえ、その壮大な目標からすると、まだ旅の序盤と言えるのかもしれない。人生を賭けて俳優業に挑む彼は、今後どんな役柄を演じていくのか? “長く推す”楽しみのある役者だ。
●取材・文/原田イチボ(HEW)