スポーツ

三冠馬3頭の歴史的ジャパンC キセキの一角崩しを期待する

2018年のJCのゴール前、アーモンドアイとキセキ。

2018年のJCのゴール前、アーモンドアイとキセキ

 いよいよ三冠馬が3頭揃うドリームレースのゲートが開く。競馬ライターの東田和美氏が分析した。

 * * *
 菊花賞であわやコントレイルを差し切るかと思われたアリストテレスは、新馬戦でヴィ―スバーデンという牝馬からコンマ3秒の2着に敗れている。ヴィ―スバーデンはロードホースクラブ期待のディープインパクト産駒で、今年2月にエルフィンSに出走したが、デアリングタクトから1.7秒離された9着だった。

 オークスでデアリングタクトからコンマ1秒差だったウインマリリンは、先のエリザベス女王杯でラッキーライラックからコンマ4秒離された4着。ラッキーライラックは、三冠すべてでアーモンドアイの後塵を拝している。

 皐月賞とダービーで2着だったサリオスは、毎日王冠で古馬を一蹴したものの、マイルCSでは5着。安田記念でアーモンドアイを破っているグランアレグリア、インディチャンプに及ばなかったばかりか、天皇賞(秋)で9着だったスカーレットカラーにも先着を許した。桜花賞で1番人気2着だったレシステンシアは果敢にハナを切ったものの8着に沈んでいる。

 もちろん距離適性や当時の体調、何よりその後の成長力などがあるので、他馬を「ものさし」にした予想など意味がないのは承知している。古馬混合戦の成績などによる世代比較も、この3頭を前にしては参考にならない。

  土曜朝の時点で三冠馬3頭の3連複は3倍台前半。3連単はデアリングタクト1着の場合が20倍に届くかどうかといったところ。アーモンドアイの単勝が2倍以上つく・・・・というのはなかなか新鮮だが、この3頭を比較するより、「一角崩し」を検討したほうがレースを見る興味が増す。

 ただ草創期はともかく、日本馬中心になってからのジャパンカップ(以下JC)は比較的堅く収まっている。2000年以降の20年間で、1~3番人気馬で決まったのが2回(勝ったのはいずれも3番人気馬)、1~3番人気馬のうちの2頭で決まったのが9回で、1~3番人気馬が1頭も馬券にからまなかったことは1度もない。馬連の万馬券はスクリーンヒーローが勝った2008年とショウナンパンドラが勝った2015年だけ。

 この間3着以内に入った日本馬は55頭だが、うち31頭は前走が天皇賞(秋)。その他菊花賞、秋華賞など46頭がGⅠからの参戦。また4番人気以下で馬券にからんだ日本馬は25頭しかおらず、19頭はやはり前走GⅠを走っており、そのうち11頭は天皇賞(秋)を使っている。前走がGⅠではなかった6頭の内訳は京都大賞典が4頭、アルゼンチン共和国杯が2頭。アルゼンチン共和国杯組の2頭はいずれも1着になってJCに駒を進めてきた。

 今回3強以外で前走GⅠを使っている馬は4頭。このうちワールドプレミアは昨年の有馬記念以来、マカヒキも3月の大阪杯以来。人気のあるなしにかかわらず、秋初戦がジャパンカップだった馬が3着以内に入ったことはない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
乱戦の東京15区補選を制した酒井菜摘候補(撮影:小川裕夫)
東京15区で注目を浴びた選挙「妨害」 果たして、公職選挙法改正で取り締まるべきなのか
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト