ビジネス

社員6割が副業する企業が成長を続ける理由

エンファクトリーCBOの清水正樹さん

エンファクトリーCBOの清水正樹さん

 社会の先行きが不透明であること、いつ職を失う事態になるかもわからないことなどから、安全策として副業を考える人が増えている。しかし、そもそも海外では複数の仕事を持つことは当たり前のことで、副業を許可しない企業は逆に珍しいのに、日本はいまだ立ち遅れていて、このコロナ禍においてさえ、多くの企業が副業の可否が論じられるレベルに留まっている。日本企業が副業許可に二の足を踏むのはなぜなのか。また副業がもたらす本当のメリットは何なのか、創業時から社員に副業を勧めているという(株)エンファクトリーCBO、清水正樹さんに話を聞いた。

 * * *
 エンファクトリーは、オンラインストアやDX支援のほかインターネットを利用して「もの」「ひと」「こと」をつなぐ多種多様なサービスを提供する会社です。

 会社の人事ポリシーは「専業禁止‼」で、社員の副業を強く推奨しています。「禁止‼」といっても、皆が副業しなくてはいけないわけではなく、希望する社員は起業してもいいし、複数の仕事を持っても一切かまいません。どんな業種でもOKです。会社としては社員の副業を全面支援する、という姿勢です。

 こう話すと多くの方から「そんな状態で、本業の仕事がおろそかになったり、離職が進んだりするのでは?」という質問を受けます。しかし、現状約6割の社員が何らかの副業をしている状態で、創業以来9期連続で平均15%の増収を重ねていますし、離職もほとんどありません。

 私自身、2013年から複数の仕事を掛け持つ「複業」を始めました。私の場合は新たなサービスを考えて事業を作り上げていくのが好きで、現状続けている「ハリネズミと触れ合えるカフェ」「ECサイト向けメッセージカード事業」などの仕事のほかにも多くのチャレンジをしてきました。その中には失敗して途中で撤退したものもありますが、今後もさらに多くのサービスを創造していくつもりです。

 そこで今度多くの方から受けるのは、「そんなに自分で仕事を作っているのに、なぜ本業の会社にい続ける必要があるの?」という質問です。

 その答えは、「会社にいるからこそ得られるものがあるから」。当然ですが、ビジネスにはある程度の規模を持つ会社にしかできない事業があります。そうした事業に参加できるのは、その会社に所属しているからにほかなりません。私の周りにも、本業の給料より副業の収入のほうが多くなっているにも関わらず本業を辞めない人が少なくありません。やはり、「本業あってこそ今の自分がある」という認識があるからではないでしょうか。

 そして、本業で得たものは副業に活かすことができ、また、副業で得たものを本業に活かすこともできる。本業と副業にはシナジーが成り立つのです。

関連記事

トピックス

2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
横浜地裁(時事通信フォト)
《アイスピックで目ぐりぐりやったあと…》多摩川スーツケース殺人初公判 被告の女が母親に送っていた“被害者への憎しみLINE” 裁判で説明された「殺人一家」の動機とは
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト