それに対して、責任を転嫁された形の政府の感染症対策分科会は「今まで通りの対応では、早晩、公衆衛生体制および医療提供体制が逼迫する可能性が高い」と見直しを求め、分科会会長の尾身茂氏が会見を開いて「政府の英断を心からお願いしたい」と訴えた。
そこまでいわれると、“英断”が苦手の菅首相もブレーキをかけるしかない。渋々、大阪市と札幌市に向かうGo To トラベルの新規予約を一時停止した。何と説明したか。
「国民の皆さんの命と暮らしを守る、こうしたことを全力で取り組んでいきたい」(11月23日の講演)
しかも、「国民の命を守る」とGo To 見直しを決めながら、現在もこう主張し続けているのだ。
「(Go To キャンペーンが)感染拡大の主要な原因とのエビデンス(科学的根拠)は現在のところ存在しない」(11月30日参院本会議)
支離滅裂ではないだろうか。
※週刊ポスト2020年12月18日号