「本人」も「家族」もできる免許返納の手続き
検査でなくても、家族がドライブレコーダーの映像を一緒に確認したり、運転時の様子をスマホで撮影して親と見たりすることも、本人が運転能力低下を自覚する一助となるはずだ。
一方、「返納しろと迫るだけではなく、その後の暮らしのサポートも重要」だと指摘するのは、九州大学大学院教授の志堂寺和則氏。
「車を手放すと維持費がどれだけ浮くかを事前に計算し、金銭面でも得になると伝えたり、通院や買い物に使うタクシー代を子供が分担して負担することも考えたい。本人が安心するプランを提案できると効果的です」
「説得する人」を変えることで、スムーズに進むこともある。
「子供が頼んだのに親が頑なになるだけの場合でも、孫や信頼している主治医が説得すれば、あっさり納得する可能性があります」(前出・志堂寺氏)
親が返納に納得したら、住まいの地域の警察署か運転免許更新センターで手続きをする。本人が申請するなら免許証と印鑑、家族が申請するなら申請手続き委任状などを持参する(別掲図参照)。
その際、「運転経歴証明書」を申請すれば、自治体により返納の特典が受けられる。
※週刊ポスト2020年12月18日号