阪神タイガースは「阪急の影」をひしひしと感じている(藤原新社長=時事通信)
〇パナソニック「持ち株会社で“クルマの会社”に」
来年6月、社内カンパニーであるオートモーティブ社長の楠見雄規・常務執行役員がパナソニック社長に就任する。現在の津賀一宏・社長は9年の長きにわたり巨大企業の舵取りをしてきたが、ここ2年ほどは業績悪化に苦しんだ。
「業績はコロナの影響ではなく、米中摩擦を受けて中国向けビジネスが落ち込んでしまったことが原因です。社長交代と同時に、2022年4月にカンパニー制から持ち株会社制に移行することも発表されましたが、津賀氏はそれを花道に勇退ということでしょう。新社長になる楠見氏は、津賀氏とともにプラズマディスプレイからの撤退を進めた人で、“切ること”をためらわない経営者だと思います。楠見氏が主導した自動車関連事業は業績が急回復してパナソニックの成長エンジンに育ちつつありますから、その勲章を引っ提げての就任です。次期社長の有力候補には家電部門の人もいましたから、楠見氏が選ばれたということは、いよいよ“クルマのパナソニック”になっていくという宣言でもあるのでしょう」(関氏)
三菱ケミカルは外国人社長登用で「化学変化」に期待か(時事通信)
〇三菱ケミカルホールディングス「三菱グループに化学反応を起こす」
来年4月、ベルギー出身のジョンマーク・ギルソン氏が社長に就任する。社外から外国人経営者を招くという思い切った戦略に業界も大いに驚かされた。同社では、社内3人、社外4人の候補から指名委員会がギルソン氏に決定したとしている。
「これは本当におもしろい人事ですね。日本では外国人プロ経営者の成功例は多くないのですが、天下の三菱がその決断をしたことに注目です。三菱グループには『三菱金曜会』というグループ企業トップの親睦会があります。そこにギルソン氏も参加することになれば、通訳を同伴するのか、英語で会話すのか。あるいはギルソン氏は出席せずに、会長だけが出席ということになるかもしれません。いずれにせよ“日の丸そのもの”だった三菱グループに、どんな化学反応を起こすのか楽しみです」(関氏)
企業の正念場で登板する社長たちの手腕に期待したい。