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《大学名を冠した駅名は大学が移転したらどうなる?》東洋大学と北海道医療大学のキャンパス移転で、駅名を巡る「明暗」

板倉東洋大前駅Pの駅情報。1日平均乗降客数は2023年度で3,404人(東武鉄道HPより)

板倉東洋大前駅Pの駅情報。1日平均乗降客数は2023年度で3,404人(東武鉄道HPより)

 全国の駅やバス停に「●●前」という名称が存在するが、その「●●」が移転や閉業などでなくなったとき、その名称はどうなるのだろうか。ライターの小川裕夫氏が、大学キャンパスが移転した群馬県板倉町の例と、移転が決まっている北海道当別町にある、2つの「大学前駅」についてレポートする。

 * * *
 大学全入時代と言われるようになって久しいが、入学者数を確保したい大学は加速する少子化を受けて学生人気を高めようと試行錯誤している。各大学が取り組む人気向上策は多岐にわたるが、なかでも高い訴求力を発揮しているのがキャンパスの都心回帰だ。

 かつて、高度経済成長期からバブル期にかけて、都市圏では土地の価格が急騰。設備更新が難しいこともあって郊外のキャンパス地を拡大していった。ところが近年、大学が次々と都心回帰をすすめている。

 たとえば箱根駅伝の上位常連校としても知られる東洋大学は、東京の文京区白山に本部を置く私立大学だが、1961年の工学部開設にあわせて川越キャンパスを開設したのを皮切りに、郊外へキャンパスを拡大してきた。1997年には、群馬県板倉町の板倉ニュータウン研究学園都市に国際地域学部を新設している。ところがいま、その板倉キャンパスは学部も大学院もない空白地となっている。

 板倉キャンパスは開設時に新設された生命科学部と国際地域学部のうち、国際地域学部がすでに2009年に白山第2キャンパスへと移転。その後、2009年に設置された食環境科学部と、生命科学研究科と食環境科学研究科があったが、すべて2024年に埼玉県の朝霞キャンパスへ移転した。

 群馬県と板倉町、それに東洋大学の3者は、大学生が消えた板倉キャンパスをどう活用するのかといったことを以前から協議してきた。広大な跡地の利用策に妙案は出ず、意見がまとまらないまま2025年4月を迎えた。

 大学生がいなくなるという事態に対して、群馬県の山本一太知事は会見で不快感を露わにする。また、地元の板倉町は固定資産税を課税することを決定した。それまで板倉町は教育機関であることを理由に、未利用地も含めて東洋大学のキャンパス地に固定資産税を課していなかった。

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