コロナ禍で世界が動揺した2020年は、多くの著名人が亡くなった年でもあった。惜しまれつつ亡くなった著名人の方々を振り返る。
●横田滋さん(北朝鮮拉致被害者家族 6月5日死去 享年87)
1977年に新潟県の海岸から北朝鮮に拉致された当時13歳の長女・めぐみさんを帰国させるため、97年3月に「拉致被害者家族連絡会」を結成し、初代代表に。メディアが“疑惑”として扱う中、実名で先頭に立って被害者救出に尽力した。
●外山滋比古さん(英文学者 7月30日死去 享年96)
雑誌『英語青年』の編集長、東京教育大学助教授を経て、1968年お茶の水女子大学教授に。著書は300冊以上にのぼり、1983年出版の『思考の整理学』は累計253万部の大ベストセラー。90代になってからも年間10冊近い本を上梓した。
●西川善文さん(元三井住友銀行頭取 9月11日死去 享年82)
日本金融史に名を残す“ラストバンカー”。1997年に58歳の若さで住友銀行頭取、2001年にはさくら銀行を吸収合併した三井住友銀行の初代頭取に。経営破綻や不良債権処理の最前線に立ち続けた。2006年から日本郵政の初代社長に就任した。
●小柴昌俊さん(物理学者 11月12日死去 享年94)
岐阜県の神岡鉱山で物質のもとになる素粒子の1つ「ニュートリノ」の観測に成功し、2002年にノーベル物理学賞を受賞。翌年、その賞金を基に財団法人「平成基礎科学財団」を設立。弟子の梶田隆章も2015年にノーベル物理学賞を受賞した。
※週刊ポスト2020年12月25日号