JFK誕生の陰には野村氏、岡田氏のチーム育成の努力があった(時事)
ただ、野村さんはチーム状態を見て“平均的な選手が多いな”とボヤいていたらしい。その後、俊足の赤星憲広みたいに一芸に秀でている選手をドラフトで指名するようになった。矛盾していると思ったけど、阪神の選手を見て考えが変わったんちゃうかな。
奇妙な関係の3年間やったけど、データを重視していた野村さんのID野球はおおいに参考にさせてもろた。野村さんの考えはコーチやスコアラーにも浸透していたね。
もうひとつ参考にしたのは投手を中心にした守りの野球。南海時代、野村さんは江夏豊さんをクローザーにした。オレも7回以降が重要やと思っていたから、7回、8回、9回を3人の投手に任せることにした。それがジェフ・ウィリアムス、藤川球児、久保田智之のJFKや。二軍監督時代に藤川球児が“もう先発ができない”というので、その頃から温めていた構想でね。現役時代、ラッキーセブンで攻撃陣が活気づくのを感じて、それやったら7回以降を抑えたらええんちゃうかと発想した。野村さんからオレには多くの言葉はなかったが、野球への探求心を身につける刺激を与えてくれたね。