ワインについて熱く語るひぐち君
――2020年10月、日本ソムリエ協会の名誉ソムリエに就任したそうですね。
ひぐち君:国内外でワインや日本酒などの飲み物を広める活動をしている人が、いただける称号で、推薦がないと就任できないそうなんです。いつかはぼくも!と思っていたので、嬉しかったですね。政治家のかたも多いんですよ。
ワインに含まれるポリフェノールって抗酸化作用があると言いますよね。毎日ワインを飲むようになってから肌がきれいになった気がします。ワインって薬として飲まれることもあったんです。18世紀初頭のフランスの王・ルイ14世は治療薬として、ロマネコンティを毎日スプーン2杯飲んでいたそうですよ。
――新型コロナによる、ワイン活動の変化は?
ひぐち君:日本にはワイナリーが350か所くらいあると言われていて、プライベートで約100か所は行っていたのですが、行けなくなってしまいました。また、ぼくはオンラインサロン「ひぐち君の日本ワイン会」をやっていて、ぼくのおすすめワインを飲む会を月1回開催していたのですが、これもできなくなりました。
そこで、みんな同じワインを事前に購入してもらって、Zoomで一緒に飲むようになったのですが、北海道や九州など遠方のワイナリーさんや海外のかたとつながることができて、サロンメンバーが増えました。コロナが落ち着いても、Zoomワイン会は続けたいと思います。
――ところで、せっかくワインを飲めるようになったのに、今でもワイングラスに入れているのはファンタグレープですか?
ひぐち君:そうです、あれがいちばん色がきれいなんですよ。冬はあまり売っていないので、夏に買いこんでいます(笑い)。最初はワインを使っていたのですが、出番前に喉が乾いたり緊張したりして飲むと酔っぱらっちゃうから、お酒はやめることにしました。ジュースもウェルチなど色々試したんですけど、100%ジュースはグラス内に果肉が付着するので、ファンタグレープに落ち着きました。ワイン通の人には「あの色はロゼだね」と言われます(笑い)。
グラスも紆余曲折あって、以前はRIEDEL(リーデル)というブランドのものを使っていたんですけど、これは音が反響して次のセリフにかぶるんです。今使っているグラスは東洋佐々木ガラスのHS(ハードストロング)というブランドで、普通のグラスより丈夫だし乾杯しても、カン、で終わって響かないので。何度もグラスを合わせるので摩耗して割れたこともありますが、そのときはハイタッチでしのぎました。
【ひぐち君(ひぐちくん)】
1974年2月12日生まれ。福岡県出身。1999年に漫才コンビ・髭男爵を結成、貴族ネタで2008年頃からブレイク。貴族キャラの相方・山田ルイ53世に仕える緑色の執事服がトレードマーク。2015年にワインエキスパートの資格を取り、現在はワイン関連の仕事も。「日本のワインを愛する会」副会長。オンラインサロン「ひぐち君の日本ワイン会」主催。
撮影・取材・文/小山内麗香