【年収600万円未満】郊外の大規模マンション購入に動けず

 日本経済は2020年4─6月期は大きく落ち込んだが、7─9月期は少し回復した感じだった。しかし、今またコロナ第3波が押し寄せて経済は減速気味ではなかろうか。多くの人々の収入も落ちていると思われる。

 であるにもかかわらず、首都圏の中古住宅市場は好調。新築マンション市場も何とか売れ行きを保っている。このことをいったいどう考えるべきなのか。

 私は、住宅購入者たちの中で年収による大きな「コロナ格差」が発生しているのではないかと想定している。

 まず、世帯年収が600万円未満の中堅所得者の下位層では、収入減によって動きが取りづらくなっている。コロナによって最も打撃を受けているのはこの層で、唯一購入しているのは、遠隔郊外の格安中古戸建てではなかろうか。価格であれば2000万円くらいまでの物件がよく動いている。

 だが、彼らが本来購入対象とする、郊外で開発分譲されている新築大規模マンションは、首都圏のみならず近畿圏でも凍ったように動いていない。

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