スナック応援プロジェクトは「お涙頂戴ではない」
──これまでスナックに縁がなかった若い世代が、新たなスナック文化を立ち上げていくというのは面白いですね。
玉袋:オレはロール・プレイングゲーム(RPG)好き世代の子たちにぜひともスナック体験をしてほしいんだよね。(スナックは)ダンジョン(RPGの舞台)だからさ。
スナックの入り口のドアを開けたら、人食い箱が出てくるとかさ。ボスキャラもいっぱいいるし、闘っているうちにレベルが上がっていくわけよ。今まで覚えていなかった呪文、それは年代が違う歌も覚えられて……。そういう世代の子たちがスナックを“人生ロール・プレイングゲーム”の場だと思ってくれたらいいなって。
──最後に、スナック愛好家や読者に向けてのメッセージをお願いします。
玉袋:たしかにオレも含めてスナック業界は大変な状況で日々泣いてますけど、立ち上げたプロジェクトは決して“お涙頂戴”でやってるわけじゃない。商売やっている人の逞しさとかさ、最後まで頑張ろうっていうエネルギー、そういったところを見てほしいんだ。
そこで感じてくれるところがあったら、ちゃんと感染予防対策しているお店を応援してあげてください。そうしないと夜の街は本当につまんなくなっちゃうよ。お店も頑張りますから、お客さんもチョイスして行ってください。
もう一回、スナック黄金時代に戻れるように頑張りますよ。何バカなことやってんだと言われようが、オレは旗を振り続けます。そういうバカがいないとね、一人ぐらい(笑い)。
「商売をやっている人たちの逞しいエネルギーを見せたい」と玉袋
【プロフィール】
玉袋筋太郎/1967年、東京都新宿区出身。ビートたけしに弟子入りし、1987年に水道橋博士と「浅草キッド」を結成。現在はテレビ・ラジオ番組やイベント出演、書籍執筆など幅広く活動中。一般社団法人「全日本スナック連盟」の会長として、スナック文化の啓蒙に取り組み、SNSの拡大にも努めている。2020年11月より「玉ちゃんの“夜の街”応援プロジェクト」始動。YouTubeチャンネル「玉袋筋太郎の『夜Tube』」も配信中。
●聞き手/山田稔(ジャーナリスト)
●撮影/内海裕之