スポーツ

トンガと日本ラグビーの歴史 8000キロ離れていても近い距離

ヘル ウヴェはトンガ出身の日本代表選手(写真提供/(C)ヤマハ発動機ジュビロ)

ヘル ウヴェはトンガ出身の日本代表選手(C)ヤマハ発動機ジュビロ

 海外出身の選手も多いラグビー日本代表。そのなかで最も多くの日本代表選手を輩出した国がトンガだ。距離にして8000km離れたトンガと日本ラグビーの歴史を振り返る。『国境を越えたスクラム』(中央公論新社刊)の著者・山川徹氏が取材した。

 * * *
 日本が出場した9度のW杯で、桜のジャージを着たトンガ出身選手は15人を数える。ヤマハ発動機のヘル ウヴェは、2019年のW杯で、日本代表として活躍した5人のトンガ出身選手の1人だ。

「日本のラグビーについて聞いていたのは土のグラウンドで練習することくらい」と彼は屈託ない笑みをこぼした。

 ウヴェは、ニュージーランドの高校を経て、拓殖大学に留学する。

「大学時代の目標がトップリーグでプレーすること。そのあと、前々回のW杯を見たり、日本人の妻と結婚したり、子どもを育てたり……。日本で暮らすなかで、自然に日本代表になりたいという気持ちになった」

 決勝トーナメント進出を賭けたスコットランド戦後半。ウヴェは同郷の中島イシレリ、ヴァルアサエリ愛とともに密集の近くで幾度も身体を張り続け、勝利に貢献した。

 しかしウヴェは「悔しかった」と漏らす。W杯で2試合の途中出場に止まったからだ。

「もっとW杯で試合がしたかったな。日本代表には、国や言葉の壁をこえて一緒になる、いい文化がある。次のW杯が新しい目標になった」

関連記事

トピックス

手指のこわばりなど体調不安を抱えられている(5月、奈良県奈良市
美智子さま「皇位継承問題に口出し」報道の波紋 女性皇族を巡る議論に水を差す結果に雅子さまは静かにお怒りか
女性セブン
ちあきなおみ、デビュー55周年で全シングル&アルバム楽曲がサブスク解禁 元マネジャー「ファンの声が彼女の心を動かした」
ちあきなおみ、デビュー55周年で全シングル&アルバム楽曲がサブスク解禁 元マネジャー「ファンの声が彼女の心を動かした」
女性セブン
『EXPO 2025 大阪・関西万博』のプロデューサーも務める小橋賢児さん
《人気絶頂で姿を消した俳優・小橋賢児の現在》「すべてが嘘のように感じて」“新聞配達”“彼女からの三行半”引きこもり生活でわかったこと
NEWSポストセブン
「マッコリお兄さん」というあだ名だった瀬川容疑者
《川口・タクシー運転手銃撃》68歳容疑者のあだ名は「マッコリお兄さん」韓国パブで“豪遊”も恐れられていた「凶暴な性格」
NEWSポストセブン
自転車の違反走行の取締りはたびたび実施されてきた。警察官に警告を受ける男性。2011年(イメージ、時事通信フォト)
「青切符」導入決定で自転車取締りが強化 歓迎の声がある一方で「ママチャリで車道は怖い」
NEWSポストセブン
民主党政権交代直後の政権で官房長官を務めた平野博文氏
【「年間約12億円」官房機密費の謎】平野博文・元官房長官 民主党政権でも使途が公開できなかった理由「自分なりに使い道の検証ができなかった」
週刊ポスト
NEWS7から姿を消した川崎アナ
《局内結婚報道も》NHK“エース候補”女子アナが「ニュース7」から姿を消した真相「社内トラブルで心が折れた」夫婦揃って“番組降板”の理由
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【厳戒態勢】「組長がついた餅を我先に口に」「樽酒は愛知の有名蔵元」六代目山口組機関紙でわかった「ハイブランド餅つき」の全容
NEWSポストセブン
今シーズンから4人体制に
《ロコ・ソラーレの功労者メンバーが電撃脱退》五輪メダル獲得に貢献のカーリング娘がチームを去った背景
NEWSポストセブン
菅原一秀(首相官邸公式サイトより)と岡安弥生(セント・フォース公式サイトより)
《室井佑月はタワマンから家賃5万円ボロビルに》「政治家の妻になると仕事が激減する」で菅原一秀前議員と結婚した岡安弥生アナはどうなる?
NEWSポストセブン
真美子夫人とデコピンが観戦するためか
大谷翔平、巨額契約に盛り込まれた「ドジャースタジアムのスイートルーム1室確保」の条件、真美子夫人とデコピンが観戦するためか
女性セブン
(写真/PIXTA)
【脳卒中】“最善のリハビリ”のために必要なこと「時間との勝負」「急性期病院から回復期病院へのスームズな移行」
女性セブン