耳の発疹に気づいて病院を受診したのは4日後のこと。症状はすでに鼓膜にまで広がり、左耳が聞こえなくなって顔面麻痺になるかもしれないと医師が懸念したほどだった。幸いにも発疹は治癒し、聴力の低下や顔面麻痺も避けられた。だが、痛みは2年経ったいまも続いているそうで、マスクを耳にかけるのも痛くてたまらないという。
早期受診ももちろん有効だが、近年ではワクチン接種による予防も推奨されている。ワクチンには2種類あり、それぞれ特徴が異なる。まず2016年から「生ワクチン」と呼ばれる、従来は水疱瘡の予防のために幼児に打たれていたワクチンを接種できるようになった。注射は1回で、費用は7000〜9000円ほど。しかし、これは免疫抑制薬やステロイド、抗リウマチ薬などを服用している人、妊婦は接種できなかった。
そこで2020年1月に登場したのが「不活化ワクチン」だ。2か月の間隔を空けて2回の接種が必要で、費用も1回あたり約2万円と高額だが、免疫が低下している人も接種が可能。臨床試験では生ワクチン以上の効果が確認されており、60才以上では約97%、70才以上でも約85〜98%の発症を予防できるという。自治体によっては接種費用の補助があるので確認しておきたい。
自粛生活のなかでストレスをためない工夫をすることも有効だ。
「趣味を持ったり、電話で友達とおしゃべりをするなど、自分なりにストレスを解消することが帯状疱疹の予防につながります。睡眠、栄養に偏りのない食事、規則正しい生活も大切。不要な外出は控えるように言われていますが、ウォーキングや家のなかでもできる軽い運動など、運動不足にならないことも心がけてください」(佐藤さん)
怖いのは新型コロナだけではない。健やかに春を迎えるため、心と体に気を配りたい。
※女性セブン2021年2月4日号