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治療が遅れると重症化することも

発疹が治っても、針で刺されるほど痛い

 前出の佐藤さんは指摘する。

「帯状疱疹の治療にはウイルスの増加を抑える抗ウイルス薬が使われ、のみ薬、点滴、塗り薬の3種類がある。早めにこれらの治療を受ければ重症化するリスクを減らすことができます」

 一方で、治療が遅れて重症化すると大変なことになる。

「例えば顔面の神経に潜んでいたウイルスが活動すると、顔面神経麻痺が起こり、目が閉じられなくなったり、聴覚神経がおかされて難聴になったりすることも少なくない。まれに髄膜炎や脳炎症、意識障害を起こし、寝たきりになってしまうケースもあります。

 帯状疱疹を発症しても、72時間以内に抗ウイルス薬を服薬すれば症状を抑えることができます。皮膚に複数の発疹ができたり、ピリピリとした痛みを感じたら、できるだけ早く皮膚科や内科を受診してください」(佐藤さん)

 さらに帯状疱疹が怖いのは、多くの人に後遺症が残るということ。発疹が治っても、その後に痛みやしびれが残るのだ。その痛みは「風が当たるだけでも、針で刺されるように痛い」「体の中からガンガン響くような鈍い痛み」などと個人差があるが、いずれも軽い痛みではない。

 先の「宮崎スタディ」によると、50才以上では2人に1人の割合で後遺症が残ると報告されている。効果的な治療法はなく、対処療法しかない。しかも、長いケースだと10年間もこの痛みとつきあい続ける人もいるという。

 タレントのハイヒール・モモコ(56才)もその1人だ。雑誌『婦人公論』(2020年12月22日・2021年1月4日号)のインタビューによれば、モモコは2018年10月に帯状疱疹を発症。最初は「なんか顎がピリピリするなぁ」程度だったが、その夜から口が開けられないほどの痛みに襲われた。

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