そんな前提からこの番組を見てみると、人気と言われる占い師ほど、相反するタイプを提示して話しを広げながら、畳みかけるようにグッと刺さるポイントに的を絞っていくのが上手い。1月27日の放送では、アイドルの白石麻衣が人気占い師の星ひとみに占われた際、いつの間にか率先して自分のことを話すよう誘導されていた。
白石さんについて「アイドルに全く向いていないけど、アイドルになって良かった人」、性格については「女子感ゼロ、中味は男の子」と言い切る。子供の頃は「男の子が遊ぶような事をやっていた」と言いながら、「着せ替えごっこが大好き」と占うなど相反する2つのタイプを指摘した。過去を占う時は、ケガやメンタル面のネガティブな事を聞き、未来については“作品を作る”“自分で自分をプロデュース”といったポジティブな言葉をぶつけて、夢を語らせていた。
だが、この効果がいつも上手くいくとは限らない。1月20日の放送では、博多の人気占い師・木下レオンがヴァイオリニストの高嶋ちさ子を占った。「金銭感覚に優れ」と占ったものの、高嶋に「ボロボロ」と反論され、一瞬言葉につまり鼻をかく。「家族の問題が出ている」と言われた高嶋が「問題のある人はいない。負担に思っていない」と言い返し、「もうちょっと具体的にわらかないのか」「視聴者はみんな思っていること」と食ってかかりバトルになりそうな場面もあった。
そんな占い番組の面白さは、27日の番組冒頭でキムタクが言った「色んなことを見てもらったりするとその本人が出るから」という一言に尽きるだろう。今まで知らなかった芸能人らの過去や性格、心の内が“占い”をきっかけに語られていく。インタビューや密着取材と違い、占いと聞けば構えているようで心のガードは外れやすく、彼ら彼女らの感情とともに多彩な表情が見えてくる。
出演していた人気占い師・ゲッターズ飯田が、自身のラインブログに載せているように「占いは所詮占い」。信じるか信じないかはその人次第だ。番組なら尚のこと、どこまでが仕込みなのかわからないが、その人を知るためのインタビュー方法の1つと見るなら、占い番組もなかなか面白い。