バイデン新米大統領は1月20日の就任演説で「ユニティ(結束)」を呼びかけた(写真/時事通信社)
「多くの情報があふれ返るSNS時代には、人々の感情を理解し、心を揺さぶるコンテンツをシェアできる『対話力』が重要です。さらに現代は、昔なら許されていたことが、『パワハラ』として表面化しますから、力で押さえつけるリーダーでは通用しなくなったという点も大きい」
実際にアメリカの研究では、人生の成功の80%はEQによるもので、IQは3~20%にすぎないという報告もある。つまり、学力だけで成功することはほぼ不可能に近く、実際に、海外のトップ企業のほとんどがEQを鍛えるトレーニングを導入している。
「日本でも、資生堂社長の魚谷雅彦さんや、GEジャパン社長の浅井英里子さんなどは、対話力に優れていて、とてもEQが高いと感じるリーダーです。しかし一方で、他人を蹴落とし、“自分はできるアピール”をする社会人が多いことも事実。
日本の教育システムでは、与えられた正解を覚えるのが主流ですが、検索して答えが出るような知識は、これからはあまり役に立たない。何もないところから自分で答えや問いを見つけ出す力が、今後、求められる能力です」
答えの見えない時代をひとりで乗り越えていくのは難しい。この潮流の変化に乗れるかどうかが、人生の明暗の分岐点になりそうだ。
※女性セブン2021年2月11日号