国内

ワクチン担当に“壊し屋”河野太郎氏起用で計画の綻びが国民に露呈

「ワクチン担当相」に河野太郎・行革相を起用したのは菅政権にとっても大きな賭け?

「ワクチン担当相」に河野太郎・行革相を起用したのは菅政権にとっても大きな賭け?

 菅義偉・首相はコロナワクチン接種の総合調整を行なう「ワクチン担当相」に河野太郎・行革相を起用する人事を発表した。菅首相にとって河野氏の起用はリスクの大きな賭けでもある。

 河野氏は発信力はあるものの、若手議員時代から採決で度々造反して“自民党の異端児”の異名を取り、野党からは“壊し屋”と呼ばれる。所属する麻生派の長老が言う。

「(河野)太郎ちゃんは昔から先輩の話に耳を全く貸さない。麻生太郎会長、父親の洋平さん(元自民党総裁)の言うことも聞かない。トップダウンで政策を進める突破力はあるが、理屈で相手をやり込めようとするから総合調整というのは最も苦手にしている。ワクチン接種をうまくやってほしいが、かき回して混乱させてしまわないか心配だ」

 案の定、就任早々、菅首相の「側近中の側近」とされる坂井学・官房副長官と官邸内バトルを演じた。

 1月21日、坂井氏がワクチン確保について「6月までに接種対象となるすべての国民に必要な数量の確保を見込んでいる」と発言すると、翌日、河野氏が「政府内の情報の齟齬がある。まだ供給スケジュールは決まっていない。修正させていただく」と否定したのだ。

 それを聞いた坂井氏が「齟齬は生じていない。修正はしません」とやり返し、野党から「閣内不一致」を批判される始末。

 この「6月」にワクチンが揃うかどうかは、菅首相の五輪開催と政権延命戦略の生命線にかかわる問題だ。『菅義偉の正体』(小学館新書)を上梓したノンフィクション作家・森功氏が語る。

「菅首相は官邸のコロナ対応を坂井副長官に担当させ、これまではワクチン接種も、坂井氏が和泉洋人・総理補佐官や大坪寛子・審議官ら厚労省の役人と連携して進めてきた。そこにワクチンに前のめりの菅首相が人事の配置換えを行ない、発信力に定評がある河野氏に担当させて支持率回復の看板にしようとした。坂井氏からすれば横から何も知らない河野氏が入ってきて面白くない。河野氏は早く独自色を出してアピールしたいのでしょう」

関連キーワード

関連記事

トピックス

岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン