これまでは誰もバース伝説に近づくことすらできていない(時事)
やや消極的なプラス材料にも感じるが、確かに阪神の新外国人バッターは、やたらと「バースの再来」と言われ、シーズン前の期待と注目度では断トツになることが多い。昨年のボーアや2018年のロサリオ(右打ちのバースと呼ばれた)など、近年も「バース」の称号を継承した助っ人は不振にあえいできた。古くはバースと入れ替わりに加入したジョーンズ(1988年)以来、その称号を付けられた外国人バッターは軽く30人以上にのぼるが、「史上最悪のバース」とまで言われてしまった1997年のグリーンウェル(年俸3億円・0本塁打・5打点)をはじめ、死屍累々の残念名簿が並ぶ。20本塁打以上打ったのは1999年のジョンソンだけだが、そのジョンソンも、前半戦19本塁打と大暴れしたものの、後半は弱点を突かれてわずか1本塁打で、合計20本塁打に終わってファンをガッカリさせた。
ロハスにしても、ベールに包まれたまま実戦にぶっつけ本番で臨むから大丈夫というのは、やや楽観的すぎるかもしれない。かつて阪神で4番を打った広澤克実氏はこう語る。
「研究される材料がなければ多少は時間稼ぎできるかもしれないが、いずれにしても実力がなければメッキがはがれるのは時間の問題です。日本のスコアラーは相手の弱点を見つけるのが得意ですからね。
むしろ私が気になるのは来日してからどれくらい待期期間があるかです。もし2週間ホテルで缶詰め、思うようにトレーニングもできないとなるとストレスが溜まるでしょう。それでスタートでつまずくと、シーズン通して波に乗れないことも十分ある。合流が遅れる以上に心配な点です」
「バースの再来」については、ファンの間で「何人目や!」というツッコミがお約束になっている。ロハスが「いつものバース」になるか、「待ち焦がれたバース」になるか、チームの浮沈にも大きく影響しそうだ。