ビジネス

ソフトバンクが3兆円利益 注目される法人税の「新たな節税手法」

納める法人税が少ないと指摘されてきたが、今年は?(時事通信フォト)

納める法人税が少ないと指摘されてきたが、今年は?(時事通信フォト)

 2月8日に発表されたソフトバンクグループ(SBG)の2020年4~12月期連結決算は、純利益が前年同期比6.4倍の3兆551億円となった。第3四半期までの数字としては日本企業で過去最大だ。

 孫正義・会長兼社長は好業績にも「満足するつもりはない。40年近く会社を経営し、この程度であることが恥ずかしい」と述べ、投資事業のさらなる拡大に意欲を示した。

 企業が大きな利益を出した場合、相当する額の法人税を納めるのが原理原則だ。

 ただ、SBGについてはこれまで、巨額の利益に対して納める法人税が極端に少ないと話題となってきた。同社の本業の儲けを示す営業利益は2018年3月期に1.3兆円、翌2019年3月期に2.3兆円だったが、単体で納めた法人税は500万円ずつだった。

 経済ジャーナリストの森岡英樹氏が解説する。

「SBGは過去に親、子、孫会社の配当のやり取りなどによって、帳簿上の子会社の価値を大幅に下げ、それによって巨額の利益を相殺することで、法人税を圧縮してきました」

 SBG広報室は当時の会計処理について「税法に従って適切な処理を行なった」と回答したうえで、SBG単体での納税以外にグループ各社が法人税を支払っており、その総額は「2011年3月期から2020年3月期までの10年間で合計3兆円程度」と説明した。

 とはいえ、世間からの“大企業の節税”への批判は大きく、2020年度の税制改正により、同じような手法で子会社の価値を下げることはできないようにルールが変更された。

関連記事

トピックス

盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
「『逃げも隠れもしない』と話しています」地元・伊東市で動揺広がる“学歴詐称疑惑” 田久保真紀市長は支援者に“謝罪行脚”か《問い合わせ200件超で市役所パンク》
NEWSポストセブン
モサドの次なる標的とは(右はモサド長官のダビデ・バルネア氏、左はネタニヤフ首相/共同通信社)
イスラエルの対イラン「ライジング・ライオン作戦」を成功させた“世界最強諜報機関”モサドのベールに包まれた業務 イラン防諜部隊のトップ以下20人を二重スパイにした実績も
週刊ポスト
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《渡部建の多目的トイレ不倫から5年》佐々木希が乗り越えた“サレ妻と不倫夫の夫婦ゲンカ”、第2子出産を迎えた「妻としての覚悟」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
事件の“断末魔”、殴打された痕跡、部屋中に血痕…“自慢の恋人”東川千愛礼さん(19)を襲った安藤陸人容疑者の「強烈な殺意」【豊田市19歳刺殺事件】
NEWSポストセブン