「Ct値を下げれば見かけの陽性者数は減ります。もしかすると、東京五輪に向けて陽性者を減らし、なんとか開催にこぎつけたいという思惑まであるのかもしれません。ワクチン接種時期も関係があるといわれています。見かけの陽性者数を減らし効果のアピールをしたいのでしょう。経済を復活させるために、“Go Toキャンペーンを早く復活させたい”という狙いもあるかもしれません」(前出・医療ジャーナリスト)
厚労省新型コロナウイルス感染症対策推進本部にCt値が変わったことについて聞くと、こう答えが返ってきた。
「日本の基準として取り上げられるCt値40は『国立感染研究所の方法でやるなら』というもので、日本基準としているわけではありません。試薬を出している民間医療メーカーが基準を出しているので、それを目安に各検査機関や病院がそれぞれ行っています。今回発表したCt値30〜35もあくまでも目安です。それを参考にしながら、医療メーカーの基準を使って行われることになります」
PCR検査は国のコロナ対策の大きな柱の1つのはずだが、厚労省は「メーカーに任せている」といわんばかりだ。
「きちんと条件検討はなされていると思いますが、Ct値が変わったのなら、なぜ変わったのかを説明をしなければ国民から疑問に思われるのは当然でしょう。論文をちゃんと出せば専門家がその妥当性を検証します。そうすれば、さまざまな疑惑を持たれずに済むのですが……」(上さん)
疑念を払拭するためにも、厚労省の姿勢が問われる。
※女性セブン2021年3月18日号