やがて努力は結果を生む。2003年には、21才以下の職人が参加する技能五輪全国大会・石工部門で銅メダルに輝き、2010年には取得が難しい1級石工技能士資格に合格。現在はオリジナルブランドを立ち上げるなど画期的な挑戦を続け、墓や灯籠から手のひらサイズのかわいい動物まで手がける。
「女性でも石職人でやっていけると思えたとき、はじめて自分のことを『私』と言えるようになりました。確かに体力などさまざまなハンデがあるし、実際に跡を継いでみたら大変なことがたくさんあって、安易に同じ道をほかの人にはすすめられないと感じましたが、がむしゃらに頑張っていると実力がついて『あいつは本物だ』と認められるようになるのだと思います。
庭の石を見て精神の安寧を取り戻し、お墓を見て故人を悼む日本人には、石に癒される遺伝子があると思います。私は石工を通じて、そんな魅力をもっと伝えたいのです」
※女性セブン2021年3月18日号