国内

コロナ禍の中学受験で異変 「跡見、大妻、山脇」の伝統女子校人気が復活したワケ

創立は明治時代の「山脇学園」

創立は明治時代の「山脇学園」

 長引くコロナ禍の中で実施された今年の中学入試。受験生の志望校選びにも例年とは違う変化が見られるが、今年の特徴のひとつとして挙げられるのが、“伝統女子校”の人気復活だ。そこにはどんな背景があるのか──。安田教育研究所代表の安田理氏がレポートする。

 * * *
 仕事柄1月中旬から中学入試の出願状況をずっと追いかけています。新聞やWebサイトでコメントを求められたり、このように原稿を書いたりするからです。大手塾やテスト会社の皆さんもコメントしていますが、出願状況のデータを基に発言していますから、そんなに大きな違いはありません。

 何かしら別の切り口はないだろうか。そんなことを思いながらデータを眺めていて、あることに気づきました。ほとんど意識されていない切り口だと思います。

校名に「創立者の名」がつく8つの女子校

 突然ですが、都内の学校で校名に創立者の名前がそのまま使われている学校を挙げてみてください。ヒントは「女子校」で、男子校にはありません。共学校も、かえつ有明(元は嘉悦女子。2006年から現校名)の1校のみです。

 跡見学園、大妻、三輪田学園、山脇学園……くらいは浮かぶでしょうか。ほかにも4校あります。川村、中村、藤村女子、そしてここは名前とは気づかないので難しいかもしれませんが、十文字です。

 女子校は小さな私塾から始まったものが多く、その時の名称がそのまま受け継がれてきています。ちなみに先に挙げた4校は明治時代の創立で、跡見学園が最も古く1875年。なんと135年以上もの歴史があります。あとの4校では中村が明治時代で、十文字、川村は大正時代、藤村女子は昭和になってからの創立です。

 8校は宗教校でないことが共通点です。川村以外併設小学校がないことも共通しています。先の4校と後の4校との違いは、歴史の古さだけでなく、高校募集の有無にあります。先の4校は高校募集のない完全中高一貫校、後の4校は高校でも募集しています。先の4校は長い歴史を象徴するようにいずれも山手線内の立地(後の4校では川村がそう)です。

開放感あふれる大妻の校舎

開放感あふれる大妻の校舎

関連記事

トピックス

嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
SNSで「卒業」と離婚報告した、「第13回ベストマザー賞2021」政治部門を受賞した国際政治学者の三浦瑠麗さん(時事通信フォト)
三浦瑠麗氏、離婚発表なのに「卒業」「友人に」を強調し「三浦姓」を選択したとわざわざ知らせた狙い
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
昨年ドラフト1位で広島に入団した常広羽也斗(時事通信)
《痛恨の青学卒業失敗》広島ドラ1・常広羽也斗「あと1単位で留年」今後シーズンは“野球専念”も単位修得は「秋以降に」
NEWSポストセブン
中日に移籍後、金髪にした中田翔(時事通信フォト)
中田翔、中日移籍で取り戻しつつある輝き 「常に紳士たれ」の巨人とは“水と油”だったか、立浪監督胴上げの条件は?
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
新たなスタートを切る大谷翔平(時事通信)
大谷翔平、好調キープで「水原事件」はすでに過去のものに? トラブルまでも“大谷のすごさ”を際立たせるための材料となりつつある現実
NEWSポストセブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン