出願者数を増やした中高一貫女子3校
校名が創立者の名前の学校は、古さゆえ「時代の変化に立ち遅れている」というイメージを持たれていて、近年人気薄という面がありました。ワーキングウーマンを育てる、キャリア形成のサポートをするという姿勢を早くから打ち出していた学校が保護者の支持を受けて伸びていたからです。
それが、2021年入試では3校が前年を上回る出願者数でした。
・跡見学園/1440人→1481人
・大妻/1793人→1825人
・山脇学園/1894人→2616人
そこで、伝統女子校の魅力はどこにあるのかを考えてみました。
定番教育で「学校がどこも似てきている」
いま中学受験を特集した雑誌を見ると、「中高一貫校の教育力=大学合格力」といった記事が多く、保護者にもその影響を受けてそう思い込んでいる人が少なくありません。
また、現在、学校づくりの定番として言われているのは、グローバル教育(英語4技能、多彩な海外研修、国際交流)、サイエンス教育(ICT教育、ITスキル、プログラミングなども含む)、21世紀型教育(論理的思考力、プレゼンテーションスキル、問題解決型教育など)です。そして現在多くの学校がこれらを追いかけています。
しかし、どこもが同じようなことを取り入れているために、「学校がみな似てきている」という側面があります。受験生の保護者の中にも、「ずいぶん多くの学校説明会に顔を出したけど、どこも同じようだった」という感想を漏らす人が多くなっています。そして結局、偏差値、大学合格実績、通学の便で志望校を選ぶ現実があります。
その点、伝統校は長い歴史を経て形成された個性がハッキリしています。