シリーズ累計600万部を超えている大人気コミック『深夜食堂』(安倍夜郎著/ビッグコミックオリジナルで連載中)。最新巻の第23集は、前作から約1年半ぶりの刊行とあって大きな話題になっている。さらに、そのスピンオフ企画として同時発売された滋養強壮グルメガイド『スタミナ深夜食堂』(左古文男と共著)も大反響。著者の“土佐出身”漫画家二人が、中高年の“元気の源”となるスタミナ飯の遍歴を語り合った。
ゆで卵を7つ食べる男の話
左古:男女ともに性欲が衰えたり、なくなってしまうのは加齢によるものだと思いますけど、摂るべき栄養がちゃんと摂れてないことにも原因はありますよね。
安倍:スタミナがなくなると性欲もなくなるでしょ。
左古:なくなりますね(笑)。40代後半からスタミナはなくなるし、男性機能を思い通りに発揮できなくなりました。若い頃は、栄養バランスなんてことは気にしないで、安くてボリュームがあるものばかりを食べてたんですが、50歳を過ぎた頃からは食べ合わせを意識するようになりました。安倍さんはどうですか。
安倍:最近、大病をして、ボクもバランスのいい食事を心がけるようになりました。退院してからは、基本的には好きなものを食べてますけど、青汁を飲んだり、ヨーグルトやマヌカハニーとか健康にいいとされてるものを食べるようにしています。
入院していたときに『深夜食堂』のネタを考えてたわけですよ。カボチャの天ぷらとか、豆もやしのナムルとかね。気がつくと、あっさりしたものばかりになってるんですよ(笑)。こりゃいかん、と。それで味噌カツを入れたり。だいたい『深夜食堂』に登場する料理は、そのときに自分が食べたいものがネタになるんです。だから、入院しているときは食べてるものもそんなものばかりだし、あっさりしたものしか思い浮かばないんですよ。
左古:でも、入院をきっかけに食事のバランスに気をつけるようになったのはいいことですよ。病気の後は、まずは栄養補給が大事だし、昔から体力が落ちているときには「精をつけたほうがいい」といいますからね。
そういえば、『深夜食堂』にも精力がつく食材が登場する回が何度かありましたよね。たとえばカキなんかはフライやホイル焼きを描いてますし、ニンニクのホイル焼きを描いた回もあったし。ほかにはどんな話がありましたかね。
安倍:ゆで卵を7つ食べる男の話とか銀杏、あとは豚足とかですね。