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乾パンなどの非常食は食べる気になれないといった声も(写真はイメージ)

 乾パンやマンナンごはんなど、火を使わなくても食べられる防災食は確かに便利だ。しかし、食べ慣れていない食品は非常時だからこそ、食が進むとは限らない。阪神・淡路大震災(1995年)を経験したヘアメイクアップアーティストの加藤聖子さんが当時を振り返る。

「震災後は、ショックが大きすぎてお腹が空きませんでした。乾パンのような、いかにも非常食というものほど食べる気にならなかった。温かく、なるべく普段の生活に近いものを食べたかった記憶があります」(加藤さん・以下同)

 ストレス軽減のためにも、普段の食事と近い食品を備えておくことは重要だ。最近は、ポテトチップスやチョコレートなどの菓子をストックしておくことが推奨されているが、意外なデメリットがある。

「避難生活において、最も貴重なのは『水』。水で口をゆすげないので歯みがきが自由にできません。小さな子供がいる場合は、お菓子は重要かもしれませんが、虫歯になりそうなものは食べることに抵抗がありました」

 熊本地震(2016年)の被災者である飯田茉里子さん(仮名・35才)も、当時、こんな光景を見たという。

「電気が復旧すると、壊れていない自動販売機は普通に利用できます。ですが、どの自販機も水だけが売り切れていて、ジュースやコーヒーは軒並み残っている。のどが渇くものはいらないということです」

 経験者の言葉は重い。いま一度、防災袋を見直してみてはいかがだろう。

※女性セブン2021年4月1日号

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