ライフ

歯科医の最新機器に要注意「見えすぎ」で不要な処置が増えるケースも

ブラッシング指導に力を入れてくれるかどうかも判断基準のひとつ。(Getty Images)

ブラッシング指導に力を入れてくれるかどうかも判断基準のひとつ(写真/Getty Images)

 緊急事態宣言の解除に伴い、久しぶりに歯科医院へ足を向ける人も多いだろう。かつては当たり前だった銀歯治療が過去のものになりつつあるように、歯科分野の進歩はめざましいものがある。

 例えばこれまでは「印象材」という粘土のような素材を口に含ませて歯の型を取り、それをもとに歯科技工士が作ってきた被せ物も、いまやコンピューターでスキャニングできる「CAD/CAM」という技術を使い、その場ですぐに作ることができるようになった。歯の保存修復学を専門とする長崎大学大学院医歯薬学総合研究科の准教授・久保至誠さんが解説する。

「今後、熟練の歯科技工士が不足するようになると予測されています。そのため誰がやっても一定の技術が保たれるこうした機器は、治療のクオリティーを底上げすることが期待でき、有望といえるでしょう」

 とはいえ、最新とうたわれる器具を喧伝する歯科医には注意が必要なケースもある。

「画質のいい最新機器で口腔内をくまなく見ることができるゆえ、“見えすぎる”状態が弊害になることもあるかもしれません。つまり、従来であれば見過ごすような、経過観察をしても悪化しないちょっとした異変も治療の対象になり、本来ならば必要ない処置が増え、余計に歯が傷つけられることもあるわけです」(久保さん)

 日本人が歯を失う原因の1位である歯周病でも注意すべき治療法が存在する。『やってはいけない歯科治療』(小学館新書)の著書があるジャーナリストの岩澤倫彦さんが問題視するのは、抗生物質の投与や殺菌液を使った「痛くない、お手軽な治療」だ。

関連記事

トピックス

お笑いトリオ「ジャングルポケット」の元メンバー・斉藤慎二。9ヶ月ぶりにメディアに口を開いた
【休養前よりも太ってしまった】元ジャンポケ斉藤慎二を独占直撃「自分と関わるとマイナスになる…」「休みが長かった」など本音を吐露
NEWSポストセブン
約40年、地元で愛された店がラーメンをやめる(写真提供/イメージマート)
《SNS投稿やグルメサイトの弊害》あっという間に人気飲食店になったことを嘆く店の人たち 問い合わせが殺到した中華料理店は電話を撤去、行列ができたラーメン店は閉店を決めた 
NEWSポストセブン
TOKIOの国分太一(右/時事通信フォトより)
《TOKIO解散後の生活》国分太一「後輩と割り勘」「レシート一枚から保管」の節約志向 活動休止後も安泰の“5億円豪邸”
NEWSポストセブン
大谷翔平の新投球スタイルを分析(Getty Images)
《二刀流復活》進化する“投手・大谷翔平” 「ノーワインドアップ」と「シンカーボーラーへの移行」の新スタイルを分析
週刊ポスト
中山美穂さんをスカウトした所属事務所「ビッグアップル」創設社長の山中則男氏が思いを綴る
《中山美穂さん14歳時の「スケジュール帳」を発見》“芸能界の父”が激白 一夜にしてトップアイドルとなった「1985年の手帳」に直筆で記された家族メモ
NEWSポストセブン
結婚式は6月26日に始まり3日間行われた(時事通信フォト)
《総額72億円》Amazon創始者ジェフ・ベゾス氏の豪華結婚式、開催地ベネチア住人は「億万長者の遊び場に…」と反発も「朝食17万円、プライベートジェット100機貸し切り」で市長は歓迎
NEWSポストセブン
藤川監督(左)の直訴を金田氏(右)が存命であればどう評したか
阪神・藤川球児監督の「練習着にハーフパンツ着用」直訴で思い出される400勝投手・金田正一さんの言葉「大投手になりたければふくらはぎを冷やしたらアカン」
NEWSポストセブン
「札幌のギャグ男」公式インスタグラムより
《特別支援学級編入を決断した当事者の声》「小3の知能で止まっている」と宣告された中学1年生が抱えた“複雑な思い”「母さんを楽にしてやれるって思ったんだ」
NEWSポストセブン
STARTO ENTERTAINMENTの取締役CMOを退任することがわかった井ノ原快彦
《STARTO社取締役を退任》井ノ原快彦、国分太一の“コンプラ違反”に悲しみ…ジャニー喜多川氏の「家族葬」では一緒に司会
NEWSポストセブン
仲睦まじげにラブホテルへ入っていく鹿田松男・大阪府議(左)と女性
石破“側近”大阪府連幹部の府議、本会議前に“軽自動車で45分ラブホ不倫” 直撃には「知らん」「僕と違う」の一点張り
週刊ポスト
国民民主党から公認を取り消された山尾志桜里氏の去就が注目されている(時事通信フォト)
「国政に再挑戦する意志に変わりはございません」山尾志桜里氏が国民民主と“怒りの完全決別”《榛葉幹事長からの政策顧問就任打診は「お断り申し上げました」》
NEWSポストセブン
中居正広氏と被害女性の関係性を理解するうえで重大な“証拠”を独占入手
【スクープ入手】中居正広氏と被害女性との“事案後のメール”公開 中居氏の「嫌な思いをさせちゃったね。ごめんなさい」の返事が明らかに
週刊ポスト