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国内では未承認の外国語パッケージのピル

中身は中国製だけどパッケージは日本語

 病院での処方はハードルが高いから、“非正規のルート”で入手したい──そんな薬は女性用のピルだけではない。たとえば、男性の勃起不全(ED)薬であるバイアグラも同じで、一時期、個人輸入やネットを通じ、大量に国内未承認の“薬”が出回った。

 バイアグラを製造・販売する製薬会社らが2016年に行った調査では、輸入品のバイアグラの4割が偽物。パッケージは正規品に似せて作られていても、中身は海外の密造工場で作られるパターンも少なくなかったという。そんな偽物をのんで意識不明になったり、最悪の場合、死に至ったりしたケースも報告されている。

 それはそのまま、現在のピルを取り巻く状況と同じだ。警視庁は2019年2月、国内未承認のアフターピル「アイピル」をフリマアプリで販売したとして、仙台市に住む男を医薬品医療機器法違反(無許可販売)で逮捕した。男はピルを海外から個人輸入し、ツイッターで「アフターピル 即日発送」と投稿して客を集めていたという。

 アフターピルは、性行為後72時間以内の服用で妊娠阻止率は8割程度とされる。早く服用するほど効果が高いとされ、「いますぐのみたい」という需要が高い。そのため、産婦人科に足を運ぶよりも前に、インターネットで購入する人があとをたたないのだ。

「販売業者は当局から目を付けられないよう、SNSやフリマアプリで購入希望者を見つけ、取引をしています」と明かすのは、中国製の未承認ピルの輸入業者だ。

「まずSNSを使って中国の医薬品マーケットのブローカーに連絡をとって、そこで価格交渉をする。うまくいくと、日本の正規品の5分の1ぐらいの値段で買える。それを大量に輸入して、国内で在庫にするんです。海外から発送すると2週間ほどかかりますが、国内なら最短で即日。さらに、個人向けに売るとき、発送元が日本だと安心されますから。

 パッケージですか? こちらがリクエストすれば、英語でも日本語でも、自由自在ですよ。こんなに安く買えるんだから、“成分”は推して知るべしです。自分の知り合いにはすすめないですね」

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