密造品を確認するすべはない
アフターピルだけでなく、低用量ピルにも「ニセモノ」が紛れ込んでいる。前出の石井さんの話。
「個人輸入だけでなく、最近では『オンライン診療』のサービスでも未承認の低用量ピルが出回っています。私のところには、『以前と同じ低用量ピルを買ったはずなのに袋の外装が違う』という相談が何件も寄せられました。
海外で製造された低用量ピルには、日本では未承認でも、海外なら『正規品』というものもあります。しかし、違法ルートで輸入されたものには密造品が紛れている。それを消費者が確認するすべはありません。また、海外の正規品であっても、保管状況によっては劣化して効果がなくなっている可能性があります。
もし医薬品の成分や製造工程に問題が発覚した場合、製薬会社は流通後の製品を自主回収することがあります。しかし、国内で未承認の医薬品の場合、すでに輸入したものについては自主回収が及びません」
副作用のリスクだけではない。山本さんも警鐘を鳴らす。
「ニセモノのピルが出回ると、避妊効果があると信じていた女性は想定外の妊娠をしてしまうことになりかねません。PMSや月経痛、生理不順がひどい人は、本来改善できる苦痛に耐え続けなければならないんです」
自分の身は、自分しか守れない。医療機関や信頼できる業者からしか入手しない、少しでも疑わしい製品は買わない、のまないを徹底したい。
※女性セブン2021年4月22日号