柳田は移籍3、4年目に主に代打で67試合ずつ出場。5年目の1973年には、10月11日の阪神との天王山で、9対10と1点リードされた8回裏に同点ソロを放って引き分けに持ち込む活躍を見せた。同年、巨人は2位・阪神をわずか0.5ゲーム差で振り切っており、柳田の一発がなければ、V9は達成されなかったかもしれない。1974年には規定打席には到達しなかったが、102試合に出場して打率3割3分5厘を記録。徐々に出場機会を増やしていった。

「長嶋茂雄監督1年目の1975年、巨人は球団史上初の最下位に転落した。翌年、長嶋監督は塀際の魔術師と言われた高田繁をレフトからサードへコンバート。日本ハムから張本勲をトレードで獲得し、レフトで起用した。柳田はレギュラーを奪えず、このまま終わるかと思われました。しかし、1977年に大ブレイク。主に王貞治の後ろを打つ5番打者として打率3割4分、21本塁打、67打点を挙げて、2連覇に貢献。月間MVPを取った5月には、4割6分6厘と打ちまくりました。長嶋監督は“史上最強の5番打者”と名付けるほど、信頼を寄せました」

 巨人移籍9年目、29歳の柳田は初めて規定打席に到達し、レギュラーを奪ったのだ。それを踏まえると、廣岡の将来性にも期待は高まる。

「まだ24歳の廣岡は内野ならどこでも守れるし、外野もこなせる。不動の遊撃手である32歳の坂本勇人の後釜としても期待できるし、毎年のようにレギュラーが定まらない二塁を奪うかもしれない。柳田のように近未来、いや近々未来にクリーンナップを打っている可能性もある。長い目で見たい選手です」

 廣岡が、柳田の“史上最強の5番打者”のような称号を得る日は来るか。

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