「見回り隊」の効果は?(時事通信フォト)
千葉大学名誉教授(行政学)の新藤宗幸氏が指摘する。
「吉村知事は敗北を総括せず、今年3月に簡易版都構想とも言われている大阪府と大阪市の広域行政を一元化する条例を制定しました。住民投票で負けたにもかかわらず、自分たちのやりたいことを強引に進める姿勢は、政治家としてあまりに不誠実です。コロナ対策にも当てはまりますが、吉村知事は知事の持つ言動の重みを理解しているとは思えません」
元東京都知事の舛添要一氏は、本誌・週刊ポストの『47都道府県知事「感染対策」の通信簿』(2020年8月7日号)では、吉村知事のコロナ対策を高評価していた。しかし、現在では吉村知事を「典型的なポピュリスト」と評する。
「この1年間、テレビで何度も共演しましたが、本来なら記者クラブで言うべきコロナの感染者数をワイドショーやニュース番組で発表するなど、人気取りのパフォーマンスが目立ちます。緊急事態宣言やまん防でも、彼が成果を焦った政策が裏目に出て、感染が急拡大した。ポピュリズム政治の成れの果てが現在の大阪なのです」
※週刊ポスト2021年4月30日号