丸川珠代・五輪相(EPA=時事)
こうした五輪関係者の「入国特権」について出入国在留管理庁にぶつけると、
「『特段の事情』による入国は、いわゆる例外的入国です。関係する省庁が該当するかを決めています。14日間の待機、隔離を軽減することも特例としてはありますが、五輪など公益性が高い場合でも、受け入れ団体がしっかりその入国者の日本国内での行動を管理することができることを示せなければ、認められません。現状、厚労省は特段の入国に関する判断は非常に厳しくしている。監督官庁が『特段の事情がある』と入国を認めても、厚労省が認めないことも多い」(審判課)という。
ではその厚労省はどういう根拠で五輪関係者の外国人を「安全」と判断しているのか。
「厚労省は入国して以降の部分を担当しており、特段の事情による入国の判断については所管外で申し上げられません」(検疫所業務管理室)
堂々めぐりで、どの役所が五輪入国者に関する「安心、安全」の責任を負うのかさえ曖昧なのだ。
※週刊ポスト2021年5月28日号