アナ(町島・中央)は、歌いながらの早替えも
「ありのままで」は、つい口ずさみたくなるフレーズはそのままに、より原文の意味に近い翻訳になっているそう。よく知っているあの曲に込められたエルサの感情が、演技に合わせてより心に染み入ってくる。映画版とはまたひと味違うエルサの歌い方も、魅力のひとつと言えそうだ。
取材会で岡本が「ありのままで」を歌い上げると、その場に居合わせたスタッフや出演者、取材陣の区別なく、大きな拍手と歓声が自然と沸き起こった。アナ役の町島は、涙をこぼしながら岡本に駆け寄り、まるで本当の姉妹のよう。
この日、気づけば冒頭から最後まで、随所で観劇している人が涙を流す場面に遭遇した。もちろん悲しさからではない。目の前で繰り広げられる歌やダンス、芝居に心を強く揺さぶられ、自然と涙がこみ上げたのだろう。これが芸術、それが劇団四季のすごさなのだと思い知った気がした。
本作のキャッチコピーは「凍った世界を救えるのは、この愛だけ」。ままならない日々が続いているいまだからこそ、劇場であたたかな愛を目の当たりにしてほしい。
撮影/平野哲郎(取材会分)