左から、アナ役候補の三平果歩、代表取締役の吉田智誉樹さん、アナ役候補の町島智子、アソシエート・ディレクターのエイドリアン・サープルさん、エルサ役候補の岡本瑞恵、アソシエート・コレオグラファーのチャーリー・ウィリアムズさん、エルサ役候補の三井莉穂
そんなアナと対をなす姉のエルサを演じた岡本瑞恵は、過去に『ライオンキング』のナラ、『アラジン』のジャスミン、『ウィキッド』のエルファバなど、劇団四季の舞台で数々のヒロインを演じてきた。品のある佇まいから力強く響く歌声は、見事にエルサのイメージを三次元に体現している。
「自分はエルサに似ているところがある」と語るように、あの紫色のマントやブルーの手袋、ティアラを身につけると、アレンデールの女王たる威厳を醸し出す。
岡本がオーディションに合格したのは、2020年の1月のこと。
「これからというときに、開幕延期が決定しました。合格したうれしい気持ち、頑張ろうという意気込み、稽古ができない悔しさ……そのときは、この気持ちを全部、どこに向けたらいいのかわからなくて」(岡本)
言葉に詰まりながらも涙をこらえて語る凜としたさまは、どこまでもエルサと重なって見えるから不思議だ。
「Let It Go」は、“ありのまま”以上の楽曲に変身
最後に、「ありのままで」をはじめとする、大人気を博した楽曲についても詳しくお伝えしたい。同曲のほか、「雪だるまつくろう」「生まれてはじめて」「とびら開けて」といったおなじみの曲も、もちろん登場。ファンなら何度も聴いたことのあるはずの曲も、圧倒的な歌唱力で再現されるだけでなく、アンサンブルのコーラスとダンスに彩られて華やかさと迫力が増し、新鮮な魅力が感じられる。これも、舞台版ならではの楽しさだ。
そして、ここに10曲以上の新曲が追加され、エルサとアナの姉妹を取り巻くさまざまな人間関係や、映画では描かれていない物語の舞台裏が細部にわたって盛り込まれていく。
今回、楽曲制作を担当したのは、映画版で作詞・作曲を手がけたロバート・ロペス、クリステン・アンダーソン=ロペス夫妻。さらに歌詞の翻訳も、映画版を担当した高橋知伽江さんが手がけ、誰もが思い描く世界観を裏切ることなく、かつ、それ以上の仕上がりとなっている。