新たなストレスを与える「テレハラ上司」は論外
テレワークで、上司と顔をまったく突き合わせなくて済めばよいのだが、ここで厄介なのが、オンラインで会議や面談をするためのツールの存在だ。こうしたツールの進化によって、上司に在宅時のラフな容姿や生活空間を見られたり、ウェブ会議中の返事やリアクションを求められたりすると、オフィス勤務にはなかった新たなストレスが生じかねない。
オンライン会議によるハラスメントが横行している
実際に、テレワークでのセクハラやパワハラが、「テレハラ(リモハラ)」として問題になっているケースも多々あり、東京都では相談窓口を開いたほど。上司がコミュニケーションの不足を埋めようとして、必要以上にウェブでの面談で無駄話をしたり、執拗にメールやチャットをしたりすることが、こうしたハラスメントにつながる場合もある。
結局、口うるさい上司は、オンラインでも、口うるささを発揮してしまうものなのかもしれない。ただし、それがテレハラにまで発展してしまうような上司は、もちろん論外だろう。
こうしてみると、テレワークでのストレスの変化をみるときには、職場で感じていたストレスの軽減に加えて、テレワークならではの新たなストレスにも注意する必要がありそうだ。
いっそ、ストレスを測定する計測器でもあればよいのだが、残念ながら人間の心を測る機械はまだ開発されていない。テレワークをするときは、会社員が自ら意識して、上司や同僚などの人間関係のストレスの変化を感じ取り、パフォーマンスの向上につなげていくしかなさそうだ。
コロナ禍は、医療の枠にとどまらず、職場での人間関係のストレスにまで影響を及ぼす厄介なものだ。人間のほうもウイルスに負けないように行動変容を進めて、ウィズコロナの仕事の環境に適応していくことが必要と思われる。