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「卒家事」のすすめ コロナ禍で「家事の意義」見失い苦悩する主婦増加

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主婦への負担は大きくなっているとも(イラスト/ユキミ)

 コロナ禍で、家族が家に滞在する時間が増加。その結果、家事としてこなすべき作業も増え、主婦への負担は大きくなるばかりだ。「なぜ、私だけが家事をやらなければならないのか…」と不満が爆発しそうになる人もいるだろう。

 たとえば、4人家族のための家事は、月収約36万円に相当する仕事量だという(※)。これに育児やパートなどの仕事が加わると、ひとりでこなすには大変な量となる。それを妻たちは、毎日無給で行い、感謝の言葉ももらえない……。そんな滅私奉公に嫌気がさすのは当然のことだ。

(※/『家事代行のベアーズ』の試算による一例。大人2人、子供2人、ペットなし、キッチン、風呂、トイレ、洗面所、部屋の掃除機がけ、洗濯、日用品の買い物、ゴミ出し、食事作りと食器洗い【1日3回】を毎日行い、そのほかアイロンがけ、玄関掃除など21種の家事をひとりでやった場合)

 東京都在住の専業主婦Mさん(54才)は言う。

「昨年から夫がリモートワークとなり、リビングで仕事をしているんです。これまでは午前中に家事を終わらせ、昼食後の数時間は休憩しているのですが、夫がいるからくつろげない。ソファに座ってテレビでも見ようものなら、“お前は遊んでいていいな”というような目で見られるので、一日中家事をすることに。おかげで家中ピカピカですが、疲労とストレスのせいか、最近体調がすぐれません。時々、何もかも捨てて逃げ出したい衝動にかられます」

 一方、埼玉県在住のパート主婦Kさん(42才)はこう言う。

「最初は夫のリモートワークも数か月程度だと思ってがまんしていたんです。もう少ししたら、また元の生活に戻れると。でもあるとき、気づきました。お茶すら自分で淹れない夫が一日中家にいて、小間使いのように働く私の言動を監視している……これって定年後の日常なんじゃないかと。そんな未来に愕然としました」

 彼女たちのように、家族のための家事から解放されたいと切実に願う40代50代女性が増えていると、『家庭力アッププロジェクト』を主宰する西崎彩智さんは言う。

「家族のために家事をこなすことが“愛”だと思って頑張ってきた女性は多いんです。また、専業主婦の場合、養ってもらっている手前、夫に家事をさせるのは悪いと考える人も。夫や子供が清潔な環境で過ごせ、元気に職場や学校に行けるのは、妻の貢献があってこそ。つまり、夫の給料の一部は妻の功績によるものなんです。ところが、当の妻たちがそれを自覚していないため、家事に意義を見いだせず、不満がたまってしまうのです」(西崎さん)

 西崎さんのもとには、ワンオペの家事をし続けることに耐えきれず、「もう無理! 夫と別れたい」という女性が多数相談に訪れるという。しかし話をよく聞いてみると、本当に離婚したいわけではなく、「ひとりで家事を負担するのがもういやだ」というケースがほとんどだとわかった。そういう人たちに西崎さんは、“卒家事”をすすめている。

「夫や子供に家事を教えて、自分のことは自分でやってもらう。そう決めたら妻は絶対に手を出さない。そのうえで同居するという、新たな家族関係を築くのが“卒家事”です」(西崎さん)

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