【4位】ヤリスクロス(175.70点)
デイズに0.02点という僅差で4位に甘んじたのはミニSUVのヒット商品、ヤリスクロス。衝突の得点(86.30/100点)でデイズに負け、それをレヴォーグ、ハリアーに次ぐ高い予防安全の得点(81.40/82点)で取り返すという構図であった。
クラッシュテストで痛かったのは、フルラップ前面衝突のスコアがレベル4にとどまったこと。それさえなければヤリスクロスが3位になっていたことだろう。ただ、動画を見るかぎりでは車体の潰れがきついといった深刻な現象はなく、エアバッグやシートベルトの拘束性の見直し次第でレベル5を取れる可能性はあるように見受けられた。
追突時の頸椎保護もレベル4止まりであったが、これも改良で仕様向上させるのは比較的容易であろう。
【5位】フィット(174.40点)
フィットのスコアは興味深いものだった。衝突は87.28/100点とそれほど高くないが、レベル5を落としたのはボンネットパネルではなくフロントウインドウ下端の固いところで受け止めることになってしまった歩行者の頭部保護とシートベルト着用警報の2点(どちらもレベル4)で、あとは追突時の頸椎保護も含め、すべてレベル5であった。得点の割には印象がいいという感じである。
予防安全は79.12/82点。ムービングテストはすべて余裕でクリアした。減点対象となったのはアクティブハイビームを欠いていることの一点で、ゆえにデイズと同一スコアとなった。ホンダはフィットに限らず全般的にフロントライティングシステムが後進的なのが弱点で、早急に手当てしたいところ。
歩行者の頭部保護はボディ形状が関係しているため対策には手間がかかるものと思われるが、それとヘッドランプを何とかできれば得点を大幅に伸ばすことができるだろう。
【6位】ヤリス(173.41点)
ヤリスは衝突安全(87.35/100点)でフィットに勝ち、予防安全(78.06/82点)でフィットに負けるというスコアであった。
衝突安全ではフルラップ前面衝突、歩行者の頭部保護、シートベルト着用警報の3つがレベル4止まりであったが、得点ではレベル5を落としたのが2項目のフィットを上回った。ヤリスは歩行者の頭部をボンネットで受け止めており、同じレベル4でもフィットに比べて失点が小さかったことがうかがえる。
予防安全はフィットと同様、アクティブハイビームを欠くヘッドランプがレベル4であったこと以外、ムービングテストでは全項目クリアした。が、こちらは夜間の対歩行者テストでダミーを押し倒したりはしなかったが停止に余裕がなく、そこで細かい失点があったものと推察される。