愛車に乗って家路を急ぐ
その結果、ジュニアは、今はふたつのYouTubeチャンネルを持ち、そこでお笑い欲を満たしているという。
実際、彼のYouTubeは視聴者との大喜利や旧車企画など、お笑い企画から趣味ネタまで網羅。動画の完成度も高く、個人の『千原ジュニアYouTube』と、小藪一豊とフットボールアワーと4人でやっている『ざっくりYouTube』はともに人気チャンネルとなっている。
前出の放送作家も「『ざっくりYouTube』のほうでやってる、『世にも奇妙な物語』に出てきそうなタイトルをもとにタモリさんのイントロトーク風に喋るという『ストーリーテラー大喜利』や、事前に用意されたオチっぽいフレーズが書かれた札でオトす『オチサイレントトーク』などは、ジュニアさんが深夜番組でやりそうな純度100%のお笑い企画。
また、個人チャンネルで見せる旧車やアート作品群は、ジュニアさんのセンスがほとばしっていて本当に凄い。このつの2チャンネルで週5日も配信しているので、もはや立派なYouTuberですね(笑い)」と高く評価する。
とはいえ、YouTubeを高頻度で配信していても、ジュニアのお笑い欲は満たされないようだ。ジュニアに親しい番組ディレクターは「やはり、ジュニアさんはテレビでお笑いをやりたいという意思が強い。でも、YouTubeで見せるような純度100%のお笑いをやりたがるスタッフがなかなかいないんです。実際、彼のYouTubeはジュニアさんの座付き作家や近しいディレクターが制作していますが、最近のテレビ局制作のバラエティ番組はスタッフがすべて決めます。自分のスタッフで自分の作りたいお笑い番組をやるというのは松本人志さんの手法ですが、それはあくまでも松本さんだから成立する話で。
ジュニアさんはそのスタイルにこだわるがあまり、局制作のバラエティで彼の冠番組を作りたがるスタッフというのがほとんど出てこない。以前、有吉弘行さんが自身の番組で『番組が面白くなるかどうかはスタッフ次第。なので、タレントは口を出さないほうがいい』という趣旨の発言を展開してましたが、だから有吉さんにはレギュラー番組のオファーがたくさん来る。つまり、プレイヤーに専念しなければ、テレビでお笑いなんてなかなかできないという現実があるんです」と語る。
今もストイックに笑いの道を突き進むジュニア。“孤高のカリスマ”のお笑い欲が満たされる日は来るのだろうか。