コロナ禍でのステイホーム生活で、家族の時間も大きく変化した。夫がテレワークをするよういなり、大学生の子供もオンライン授業となり、家族が揃う機会が増えた家庭も多いだろう。そうなると、当然やるべき家事も増え、負担が激増したと嘆く主婦も少なくない。ある意味、いまこそ主婦が“卒家事”し、夫や子供たちに家事をさせるいい機会なのかもしれない。そこで、実際に“卒家事”をして、夫に家事を担当させたパート女性(59才)のエピソードをご紹介! 夫に気持ちよく家事をさせたテクニックとは?
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“卒家事”をしようと決意したのは3年前のこと。当時、夫は定年退職したばかり。私が出かけようとすると、「どこに行くんだ。何時に帰ってくる? おれの飯は?」と、依存してくる。
仕方がないので、出かけるときは作り置きをし、電子レンジの使い方をメモ書きにしたり……。でも、保存容器を溶かしたり、失敗だらけ。結局、「飯の支度はお前の仕事だろ。帰るまで食わないからな」と意固地になる始末。
どうしたものかと悩んでいるとき、元帥海軍大将・山本五十六さんの名言《やってみせ、言って聞かせてさせてみて、誉めてやらねば、人は動かじ》がテレビで紹介されているのを見て、私の教え方が悪かったんだと気づきました。
それからは、この名言に従い、電子レンジのやり方は私がまず実際に使って見せ、私が見ている前で同じことをしてもらい、「さすがね」とか「あなたなら簡単でしょ」などとほめる。
「自分もできるんだ」と思わせたらあとは簡単でした。興味を持った家事は自分から「どうやるんだ?」と聞いてくるようになり、いまでは、私が何も言わなくても朝起きたら掃除をしてくれます。
ピカピカになった床を見ながら、《男は天下を動かし、女はその男を動かす》という、山本さんのもう1つの名言を思い出し、ほくそ笑んでおります。
取材・文/前川亜紀
※女性セブン2021年6月17日号