新型コロナウイルス治療薬として国内で臨床試験進行中の主な薬剤
「4月に3つ目の治療薬、関節リウマチ治療薬のバリシチニブが重症の成人1033人に対する国際共同第Ⅲ相二重盲検試験で有効性が認められ、新型コロナ治療薬として適応拡大承認されました。私はIL-6というサイトカインを抑える関節リウマチ薬トシリズマブを院内の倫理委員会で承認を取って適応外使用、臨床現場で使っています。今後は軽症から中等症の治療法に、モノクローナル抗体にも注目しています」(岡教授)
これは昨年、トランプ元大統領の新型コロナ治療の際に使われた中和抗体カクテル療法のこと。2種のモノクローナル抗体薬を皮下投与するもので、すでに2万5000人の感染患者が臨床試験に参加し、有効性が実証されている。また家庭内の濃厚接触者に対する第III相臨床試験では発症リスクを81%減少させるとの報告がされており、日本での承認が待たれるところだ。
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2021年6月18・25日号