あなたも受けられる?
そこで持病や症状のある人のために、ガイドラインに該当すると考えられる具体的な病名や症状を、専門家監修のもと、リストに掲載する。当てはまる基礎疾患があるか、確認してほしい。
一方でリストには、専門家でも判断が難しい「グレーゾーン」がある。
例えば項目8の「ステロイドなど、免疫の機能を低下させる治療を受けている」だ。
「この定義に従うなら、治療にステロイド剤を使う花粉症の患者もワクチンを優先接種できることになります」(コロナ病棟で勤務する医師)
基礎疾患を持つ人への優先接種が7月下旬から始まる予定の東京・渋谷区に、花粉症も該当するのか問い合わせると「医師が判断すれば対象になります」との回答だった。
東京都福祉保健局によれば東京都全人口の48.8%が花粉症だというから、多くの人が優先接種の対象者となり得るわけだ。
項目2の「高血圧」も判断が難しいが、太融寺町谷口医院院長の谷口恭さんはこう指摘する。
「日本高血圧学会の基準では、最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上の場合に高血圧と診断されます。
しかし、激しい運動をした直後に病院に駆け込めば、血圧が140mmHg以上になることもあるので『高血圧』と判断される可能性があります」
厚労省に判断基準を聞いてみると、
「診断書を必要としていないので、基本的に自己申告です。ご自身が申告すれば、それで打てることになります」との回答だった。
いびきがひどいと優先接種の対象に
つまりは「診断書なし・自己申告のみ」で優先接種を受けられるというわけだ。これは、厚労省のホームページにも明記されている。
「厚労省は基礎疾患の有無については、対象者が、かかりつけ医に相談して判断してもらうことを想定しています。しかし、性善説に立った自己申告の方法では接種会場や予約のときに真偽を確かめることは難しいです」(前出・中村さん)
なかでも混乱が生じそうなのが「肥満」の扱いだ。