ガイドラインでは、身長と体重から算出される体格指数BMI(項目15を参照)が30以上なら、肥満として優先接種の対象になる。

「肥満は通院や入院も不要で、『私はBMI30以上です』と自分で申告すれば、優先接種対象になるでしょう。実際にはBMIが30以上に達していなくても会場で身長や体重を計測することはないので、自己申告を信用するほかありません」(前出・中村さん)

 ぽっちゃり体形の人は自己申告で、優先接種を受けられることになる(厚労省は取材に「会場では身長や体重を測りません」と回答)。

 かかりつけ医の判断に委ねられる項目も多いが、それらについても判断は難しいという。

「患者から『最近、喘息が悪化して先月は発作が3回も起こった。ようやく状態が落ち着いたので病院に来られました』と言われたら、医師は信じないわけにはいきません。自覚症状で診断がつく疾患を患者が主張したら医師は認めざるを得ません」(前出・谷口さん)

 中村さんも同様に指摘する。

「いびきがひどかったり、夜中に呼吸していないと申告すれば、『睡眠時無呼吸症候群』の疑いとなり、また、尿酸値が高かったり膀胱炎の既往歴があれば、『慢性の腎臓病』と医師に認識させることが可能です。健康診断でどこかしら悪い数値が出れば、現状では基礎疾患ありの扱いになるかもしれません」

 優先接種の基準は曖昧な部分も大きく、自己判断は難しい。リストを参考に少しでも自覚症状があったり既往歴がある場合は、まずかかりつけ医に相談してみることから始めてほしい。

※女性セブン2021年6月24日号

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