国内

DV夫の特徴は支配欲、特権意識、独占欲が強い コロナの影響も

熊田曜子が受けたDVが明らかに…

夫がDVで逮捕された熊田曜子

「ドメスティック・バイオレンス(家庭内暴力、DV)」が難しいのは、単純に「殴られた」では済まないところだ。家庭という密室では「暴行の証拠」が乏しく、DV夫の多くは「やってない」と嘘をつく。妻は被害を認識しにくいばかりか、妻自身が「私が悪いのか」と自分を責めることもある。熊田のとっさの勇気ある行動は、多くの被害女性を救うきっかけにもなるだろう──。

「お前ぶっ殺すぞ、ほんと、マジで!」

 男性が声を荒らげたかと思うと、ドーン、ドーンと壁を蹴るような、けたたましい衝撃音が響きわたる。「殺すぞ、お前、マジ」という脅し文句が続き、再び、何かを蹴るような大きな音がする。

「ちょっと、子供が起きるから……」

 涙声の女性はすがるように止めようとするが、男性は聞く耳を持たない。

「ふざけんなよ!」

 怒声とともに、バチーンという顔を叩く激しい音がする。

「痛い! 痛い!」
「ざけんなって。何だよ、おれに!」
「痛い……痛い……」

 これは熊田曜子(39才)が夫・AさんからDVを受けた際、録音していた音声の一部だ。ドラマのワンシーンではない。腕力に勝る夫が、暴力と恐怖で妻を支配しようとした、現実の場面である。

 それでもDVの被害者が声を上げられず、毎日の恐怖にじっと耐えるしかないのが、悲しいかな、日本社会の現状である。声を上げれば、「殴られた方にも責任がある」とか「おおげさだ」といった無知で恥知らずな声が投げつけられ、さらに傷を深くすることになりかねないからだ。

 新型コロナウイルスの感染拡大が始まって以来、DV被害が急増している。内閣府が5月21日に発表した2020年度のDV相談件数の速報値は19万30件で、2019年度の11万9276件から1.6倍にも増えた。

 DV被害の女性を支援している一般社団法人「エープラス」の代表理事・吉祥眞佐緒さんは、「昨年3月頃から相談件数が急増し、一時は以前の4倍にもなった」と語る。

「コロナ前は夫が仕事で夜遅く帰ってくるので、夜の短い間と土日だけがまんすればよかった。しかし、リモートワークで夫がずっと家にいて、朝から晩までお説教のように責められたり、わがまま放題に振る舞われるのでつらくなったというケースが多いです。

“どうしたら夫を怒らせないようにできるのか、やり方を教えてほしい”とか“夫から受けたイライラをつい子供にぶつけて怒鳴ってしまう。私は虐待の母親でしょうか?”といった相談も増えました。夫からDVを受けているのに自覚がなく、“私は妻として失格でしょうか”と悩む被害女性も多いです」

関連記事

トピックス

前回は歓喜の中心にいた3人だが…
《2026年WBCで連覇を目指す侍ジャパン》山本由伸も佐々木朗希も大谷翔平も投げられない? 激闘を制したドジャースの日本人トリオに立ちはだかるいくつもの壁
週刊ポスト
高市早苗首相(時事通信フォト)
高市早苗首相、16年前にフジテレビで披露したX JAPAN『Rusty Nail』の“完全になりきっていた”絶賛パフォーマンスの一方「後悔を感じている」か
女性セブン
2025年九州場所
《デヴィ夫人はマス席だったが…》九州場所の向正面に「溜席の着物美人」が姿を見せる 四股名入りの「ジェラートピケ浴衣地ワンピース女性」も登場 チケット不足のなか15日間の観戦をどう続けるかが注目
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
「『あまり外に出られない。ごめんね』と…」”普通の主婦”だった安福久美子容疑者の「26年間の隠伏での変化」、知人は「普段どおりの生活が“透明人間”になる手段だったのか…」《名古屋主婦殺人》
NEWSポストセブン
「第44回全国豊かな海づくり大会」に出席された(2025年11月9日、撮影/JMPA)
《海づくり大会ご出席》皇后雅子さま、毎年恒例の“海”コーデ 今年はエメラルドブルーのセットアップをお召しに 白が爽やかさを演出し、装飾のブレードでメリハリをつける
NEWSポストセブン
昨年8月末にフジテレビを退社した元アナウンサーの渡邊渚さん
「今この瞬間を感じる」──PTSDを乗り越えた渡邊渚さんが綴る「ひたむきに刺し子」の効果
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《中村橋之助が婚約発表》三田寛子が元乃木坂46・能條愛未に伝えた「安心しなさい」の意味…夫・芝翫の不倫報道でも揺るがなかった“家族としての思い”
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
「秋らしいブラウンコーデも素敵」皇后雅子さま、ワントーンコーデに取り入れたのは30年以上ご愛用の「フェラガモのバッグ」
NEWSポストセブン
八田容疑者の祖母がNEWSポストセブンの取材に応じた(『大分県別府市大学生死亡ひき逃げ事件早期解決を願う会』公式Xより)
《別府・ひき逃げ殺人》大分県警が八田與一容疑者を「海底ゴミ引き揚げ」 で“徹底捜査”か、漁港関係者が話す”手がかり発見の可能性”「過去に骨が見つかったのは1回」
愛子さま(撮影/JMPA)
愛子さま、母校の学園祭に“秋の休日スタイル”で参加 出店でカリカリチーズ棒を購入、ラップバトルもご観覧 リラックスされたご様子でリフレッシュタイムを満喫 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、筑波大学の学園祭を満喫 ご学友と会場を回り、写真撮影の依頼にも快く応対 深い時間までファミレスでおしゃべりに興じ、自転車で颯爽と帰宅 
女性セブン
クマによる被害が相次いでいる(getty images/「クマダス」より)
「胃の内容物の多くは人肉だった」「(遺体に)餌として喰われた痕跡が確認」十和利山熊襲撃事件、人間の味を覚えた“複数”のツキノワグマが起こした惨劇《本州最悪の被害》
NEWSポストセブン