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綿棒や耳かきは雑菌が付着しないように保管するのが重要

 さらに、耳の触りすぎは、命を奪わずとも重大な病気を引き起こす危険がある。

「過剰な耳かきによって、外耳道がグジュグジュの状態が常態化すると、皮膚が再生するまでの間に“外耳道がん”になることもあります。紫外線の影響などもありますが、耳のがんは特別な体質などではなく、触りすぎで発症する可能性もあるのです」

 なお、市販の耳かきや綿棒のほか、マッチ棒やつまようじを耳かき代わりに使う人もいるようだが、実は使う道具は耳の皮膚を傷つけない限り、さほど関係ない。それ以上に「保管方法」が大事だという。

「つまようじで耳をかいても、その人の皮膚が強ければ病気にはなりません。しかし、皮膚が弱い人の場合、その辺に放置してあった綿棒を耳に入れるということは、空中に浮遊する雑菌を耳の中に塗りたくっているのと同じです。

 また、お風呂上がりに耳かきをする人は多いと思いますが、皮膚が柔らかくなっているので傷つきやすく、特に危険といえます」

 プールや海水浴の後も、水中のカビや雑菌を耳の中に持ち込むことになり同様に危険だ。

 さらに、耳の聞こえをよくしようとして行った耳のそうじが、難聴の原因となることも珍しくない。

「耳かきで外耳道をひっかき、炎症を起こしては治るということを繰り返していると、しだいに耳の穴が細くなっていき、そのうち完全に閉じてしまう『外耳道閉鎖』という状態になる人もいます。こうなると、治療の手段は外科手術しかなくなります」

 高齢者の場合には難聴になると外部から音の刺激がなくなり、脳が萎縮して認知症になるリスクが高まる。

 これほどデリケートで、重要な機能を持つ「耳」だが、一般的に耳かきの危険性はあまり広まっていない。それゆえ、幼い子供に耳かきをする親も多い。

「親が子供の耳そうじをしていて、綿棒を深く差し込みすぎたり、きょうだいやペットが耳そうじ中にぶつかって、鼓膜を破ってしまう事故も珍しくありません。

 そもそも耳の穴は、耳あかで90%塞がっていても聴力には影響しません。わざわざリスクを冒してまで耳そうじをするメリットはないのです」

 コロナ禍も、思いがけず耳の健康に影響を与えている。テレワークが推進されたことで、イヤホンを長時間使用する人が増えたことを井上さんは心配する。

「イヤホンによって耳がかぶれたり、炎症を起こす患者が増加しています。耳に異常を感じたら、決して触らず、耳鼻科を受診してください」

 何もしないことが耳にとっては最も健康的だと心得よう。

※女性セブン2021年7月1・8日号

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