寛二さんが搬送されたときの入院診療計画書。生前は絵画が趣味で賞を獲得するほどの腕前だった(

寛二さんが搬送されたときの入院診療計画書。生前は絵画が趣味で賞を獲得するほどの腕前だった(写真/遺族提供)

 翌朝、妻の腕の痛みは治まっていたが、寛二さんは腕が上がらないほど痛みが増していた。とはいうものの、腕の痛み以外は体調に大きな変化はなく、ふたりは夕食の時間を迎える。

「夫は、食欲もありました。『里芋の煮っころがしが食べたい』と言うので、アジの開きと一緒に食卓に並べました。仕事を引退してから食事量は少なくなっていましたが、あの夕飯では『おいしい、おいしい』と言ってアジを2匹も食べていました」

 寛二さんは、3年前に仕事を引退するまで、大工として朝早くから夜遅くまで働きづめの毎日だった。川崎市内の2DKのアパートで過ごす、夫婦ふたりのゆっくりとしたリタイア生活は、3年間で突然幕を閉じる。

「夫は本当に優しい人で、周りから羨ましがられるほどでした。スーパーに買い物に行くのも、どこに行くのも一緒。本当に幸せな毎日でした。藤井聡太くんのブームに乗っかって、将棋を久しぶりに指し始め、『ゲームで200連勝した』と言って大喜びしていました。やっと趣味に時間を使うことができ、楽しんでいるなと思っていたんです」

 ワクチン接種に関しての抵抗はなかったと妻は振り返る。

「家族や周りに迷惑をかけないように、昨年から外出を控えていましたし、『早くワクチンを接種したいね』と、接種券が届くのを心待ちにしていました。だから接種券が届くと、すぐにふたりで同じ日に予約したんです。まさかこんなことになるなら打たなければよかった……」

厚労省の報告書に載っていない

 病院で死亡が確認された後、寛二さんの遺体は近くの警察署へとすぐに送られた。

「事件性はないけれども、コロナワクチンとの関連を調べたいということで、寛二さんの遺体は警察の検案に回されました」

 検案の結果、死因は心筋梗塞による突然死で、コロナワクチンの副反応とは無関係だと断定された。だが、それは遺族にとって受け入れがたいものだった。寛二さんの息子が話を継ぐ。

「父は高血圧や尿酸値を下げる薬はのんでいましたが、突然死するような状態ではありませんでした。むしろ、2か月ごとに律儀に通院して、薬を処方してもらい続け、健康を保っていたという認識です。毎年きちんと健康診断を受け、大病やけがもありませんでした。だから、どうしても父の死がワクチンと無関係だとは思えないんです」

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