予防接種健康被害救済制度とは、予防接種によって後遺症が残ったり死亡したりした場合、既定の額の給付を行う制度で、新型コロナワクチンに関しても適用される。死亡の場合、4420万円が各自治体から支払われることになっている。

 だが、寛二さんは検案で「副反応とは無関係」と断定されたため、このままでは救済を受けることができない可能性が高い。

「市の健康福祉局のかたとも話しました。『死亡診断書が出たら申請できます』と言われたのですが、『ワクチンとの因果関係の判断基準は市区町村ではわからない』とのことでした」(息子)

 そこで、遺族は再び厚労省のコールセンターに連絡を取って判断基準について聞いたが、「こちらではわかりかねます」との答え。そこで、「では、わかる部署を教えてもらえますか」と聞くと、「わかるところのご案内もできかねます」との対応しかされず、その後も何を聞いても、機械のように同じ答えしか返ってこなかったという。

 寛二さんの家族には不信感がいまも残る。

「2週間たって警察から戻ってきた夫の遺体は、もう一度しっかりと警察とは別の機関に調査してもらおうと思っています。そのため火葬はせず、いま葬儀業者に預かってもらっています。先日、夫の遺体に会いに行ったのですが、とても顔が白くなっていました。その顔を見て、“えらい男前やね”って声をかけてあげたんですが、それ以外は胸がいっぱいであまり覚えていません」

 調査が終わって、火葬した後は、生前に寛二さんが話していた願いを叶えようと考えている。

「お墓は生まれ育った奈良にあって、夫は『そこに入りたい』と言っていたから、そうしてあげたいですね。早く連れて行ってあげたいとも思うのですが、遺族として死の真相を明らかにしたいという思いもあるので複雑です」

 ワクチン接種後の突然の死。遺族は悲しみとともに、ひとつのことを決めた。

「2回目の接種が私には残っていますが、打ちません。打てないでしょう。寛二さんの兄弟も打つ予定だったのにやめたようです」

 ワクチン接種が推奨され続ける一方で、接種後の突然死がないがしろにされている。

※女性セブン2021年7月15日号

関連記事

トピックス

デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
維新に新たな公金還流疑惑(左から吉村洋文・代表、藤田文武・共同代表/時事通信フォト)
【スクープ!新たな公金還流疑惑】藤田文武・共同代表ほか「維新の会」議員が党広報局長の“身内のデザイン会社”に約948万円を支出、うち約310万円が公金 党本部は「還流にはあたらない」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《ほっそりスタイルに》“ラブホ通い詰め”報道の前橋・小川晶市長のSNSに“異変”…支援団体幹部は「俺はこれから逆襲すべきだと思ってる」
NEWSポストセブン
東京・国立駅
《積水10億円解体マンションがついに更地に》現場責任者が“涙ながらの謝罪行脚” 解体の裏側と住民たちの本音「いつできるんだろうね」と楽しみにしていたくらい
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン
兵庫県知事選挙が告示され、第一声を上げる政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏。2024年10月31日(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志容疑者、14年前”無名”の取材者として会見に姿を見せていた「変わった人が来るらしい」と噂に マイクを持って語ったこと
NEWSポストセブン