スーパーで売られている輸入フルーツにはポストハーベスト農薬の注意書きがあることも(写真/アフロ)
いちごならば糖質量が低いため、粒が大きめのものを3~4粒食べても構わないが、干し柿ならば半分残しても糖質オーバーとなる。とはいえ、生のフルーツなら食べる量も調整しやすく、食物繊維も含まれているため、それほど敬遠する必要はない。
最も避けるべきはある種の「フルーツジュース」だ。望月さんが言う。
「フルーツジュースの問題点は、生のフルーツを食べるよりも果糖を簡単に大量摂取できることです。特に『100%濃縮還元』のタイプは要注意。これは、フルーツから搾った果汁の水分を飛ばして濃縮し、ジュースを作るときに水や人工香料、果糖などを加えて飲みやすくしたものです。食物繊維が少なくなっているものも多く、フルーツを生で100g食べるのと、濃縮還元のフルーツジュースを100g飲むのはまったく別物です」
野菜ジュースをよく飲むという人も例外ではない。
「野菜ジュースと銘打った商品でも、その原料の半分以上がフルーツの場合もある。“野菜不足を補っている”と思って積極的に飲んでいると、果糖の過剰摂取で血糖値が上がり、さまざまな病気のもとになりかねません」(栗原さん)
ジュースは自宅で手作りするのが最善策だ。
防カビ剤を散布しても猛毒のカビが発生している
「果物は皮に栄養がある」と聞いたことはないだろうか。実際、りんごやぶどうは皮にポリフェノールが豊富に含まれている。ヨーロッパでは、食事を手軽に済ませるため、スナック感覚で買ったりんごをそのまま丸かじりする習慣もある。しかし、これをまねするのはやめた方がいい。食の安全に関する著書を多数持つ東京大学大学院農学生命科学研究科教授の鈴木宣弘さんの指摘は衝撃的なものだ。
「EU(ヨーロッパ連合)は、農薬の残留基準などのレベルが日本よりずっと厳しいからこそ、買ったりんごをそのまま丸かじりできるのです。
一方で、日本はアメリカから輸入するレモンが船便輸送中にカビが生えないよう、収穫後に散布される禁止農薬である『ポストハーベスト農薬』を『食品添加物』として受け入れてしまった。こうして日本は世界の中でも輸入フルーツに対する基準が最も緩い国の1つになりました。これはまさに“外圧”に屈したことによるものです」(鈴木さん)
その悪影響は年々拡大しているという。近年は輸送事情がよくなったことから、南の国から生鮮マンゴーが入ってくるようになった。スーパーでも気軽に手に入り、身近なフルーツとなりつつあるが、手に取ってはならないものがあると食品ジャーナリストの郡司和夫さんは言う。
「マンゴーは毎年、輸入時の検査で食品衛生法に違反した事例が多数挙がっており、輸入元も台湾、タイ、メキシコなど幅広い。それらの輸入マンゴーからは、発がん性を指摘される残留農薬が検出されています。