国内

バッハ会長は強硬姿勢ではなく日本人に協力求めるべきだった

東京都とIOCはどう決着をつけるのか(写真はIOCバッハ会長/時事通信フォト)

五輪開催に疑念を持っていたことを初めて明らかにしたバッハ会長(写真/時事通信フォト)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、コロナ禍でも東京五輪開催を積極的に押し進めてきた、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長について。

 * * *
「ついにここまできた」、「とても難しい決断を迫られてきた日本が、輝く時でもある」とは、7月20日に開かれたIOC総会でのバッハ会長の挨拶の言葉だ。とうとう東京五輪・パラリンピック開催が現実になる。

 バッハ会長が使った“ついに”という言葉にはワクワクした高揚感や期待感が含まれているが、残念ながらそんな感覚にはなれない。“とうとう”というか“ようやく”というか、開催されたのだから楽しむか、応援するかという感じだ。

 これまで、バッハ会長やIOCなどの対応に対して、「日本の状況や世論を考慮して欲しい」、「察して欲しい」と願っていた。「推察力」が足りないと思っていたのだ。推察力はその事情や状況、感情を推し量り、思い巡らす力である。だが、どうやら察するべきはこちら側だったのかもしれない。日本人は“察し”のコミュニケーションができ、相手を不快にさせまいと配慮できるのだから。

 そんな思いになったのは、バッハ会長が五輪開催への疑念を「胸にとどめていた」と発言したことにある。延期を決断してから、「毎日疑問を持っていた。眠れない夜もあった」と話したバッハ会長。それでも疑念を口にしなかったのは、発言すれば「我々の疑問はその通りになってしまったかもしれない。五輪はバラバラになっていた可能性がある」と思っていたからだと述べた。発言してしまえば、選手や各国の五輪関係者らに対し開催への自信が揺らぐと考えたようだ。

関連記事

トピックス

あごひげを生やしワイルドな姿の大野智
《近況スクープ》大野智、「両肩にタトゥー」の衝撃姿 嵐再始動への気運高まるなか、示した“アーティストの魂” 
女性セブン
OZworldの登場に若者が殺到した
《厳戒態勢の渋谷ハロウィン》「マジで両方揉まれました」と被害打ち明ける女性…「有名ラッパー」登場で一触即発の乱闘騒ぎも
NEWSポストセブン
天海のそばにはいつも家族の存在があった
《お兄様の妹に生まれてよかった》天海祐希、2才年上の最愛の兄との別れ 下町らしいチャキチャキした話し方やしぐさは「兄の影響なの」
女性セブン
川村
【北海道・男子大学生死亡】脚には「龍のタトゥーシール」…逮捕された川村葉音容疑者(20)の同級生が明かす「暴力的側面」と「恋愛への執着心」
NEWSポストセブン
満を持してアメリカへ(写真/共同通信社)
アメリカ進出のゆりやんレトリィバァ「渡辺直美超えの存在」へ 流暢な英語でボケ倒し、すでに「アメリカナイズされた笑い」への対応万全
週刊ポスト
ライブペインティングでは模様を切り抜いた型紙にスプレーを拭きかけられた佳子さま(2024年10月26日、佐賀県基山町。撮影/JMPA)
佳子さま、今年2回目の佐賀訪問でも弾けた“笑顔の交流” スプレーでのライブペインティングでは「わぁきれい!うまくできました!」 
女性セブン
傷害致死容疑などで逮捕された八木原亜麻容疑者(20)、川村葉音容疑者(20)、(右はインスタグラムより)
【北海道男子大学生死亡】逮捕された交際相手の八木原亜麻容疑者(20)が高校時代に起こしていたトラブル「友達の机を何かで『死ね』って削って…」 被害男性は中学時代の部活先輩
NEWSポストセブン
木曽路が“出禁”処分に(本人のXより)
《胸丸出しショット投稿で出禁処分》「許されることのない不適切な行為」しゃぶしゃぶチェーン店『木曽路』が投稿女性に「来店禁止通告」していた
NEWSポストセブン
東京・渋谷区にある超名門・慶應義塾幼稚舎
《独占スクープ》慶應幼稚舎に激震!現役児童の父が告白「現役教員らが絡んだ金とコネの入学ルート」、“お受験のフィクサー”に2000万円 
女性セブン
佳子さまの耳元で光る藍色のイヤリング
佳子さまが着用した2640円のイヤリングが驚愕の売れ行き「通常の50倍は売れています」 地方公務で地元の名産品を身につける心遣い
週刊ポスト
傷害致死容疑などで逮捕された八木原亜麻容疑者(20)、川村葉音容疑者(20)(インスタグラムより)
【北海道男子大学生死亡】 「不思議ちゃん」と「高校デビュー」傷害致死事件を首謀した2人の女子大生容疑者はアルバイト先が同じ 仲良く踊る動画もSNS投稿
NEWSポストセブン
いわゆる“ガチ恋”だったという千明博行容疑者(写真/時事通信フォト)
《18才ガールズバー店員刺殺》被害者父の悲しみ「娘の写真を一枚も持ってない。いま思い出せるのは最期の顔だけ…」 49才容疑者の同級生は「昔からちょっと危うい感じ」
女性セブン