(左から順に)育休中の酒寄希望、きりやはるか、あんり、田辺智加(吉本興業ホームページより)
しかし、時代が変わり、個人が尊重されるようになって、「男(女)らしさ」「女(男)が好きなもの」などのイメージが徐々に無力化。コワモテ男性がスイーツ愛をちゅうちょなく話せるようになり、周囲もそれを当たり前のように受け止めるように変わりました。
そんなときに登場したのが田辺さん。持ちギャグの「まあね~」に象徴される明るくポジティブな振る舞いがスイーツ好きのキャラクターにも反映されていたことで、一気にスイーツタレントの座を手にしました。「ぽっちゃり体型でもスイーツが好きだから気にしない」という率直さで、スイーツ好きの視聴者をつかむことに成功したのです。
もちろん現在の活躍は、田辺さんのスイーツにかかわる豊富な知識や、自作するほどのこだわりあってのものでしょう。番組の制作サイドも視聴者も、その熱量にもとづく説得力と、本当に好きだからできる嘘のない表情に笑顔を誘われ、信頼を寄せているのです。
仕事の枠を超えて心から楽しんでいることが誰の目にも伝わったことで、田辺さんは「男女の性別、見た目やキャラクターとのギャップ」というこれまでスイーツタレントに求められてきた要素を超越してしまったのではないでしょうか。
早くもレジェンドとの共演が実現
一方、各番組の制作サイドとしては、渡りに船。ぼる塾という旬の芸人がスイーツタレントという付加価値を持っているわけですから、オファーを出さない理由がありません。
現在のテレビ番組はスイーツに限らずマニアの需要が大きいのですが、やはり『マツコの知らない世界』(TBS系)に出演するような一般人では、知名度、トーク力、リアクションなどに不安があるもの。知識を語ってもらうくらいで、バラエティの企画としては発展性が望みづらいため、やはり田辺さんのような人気有名人の中からマニアが出てほしいのです。