芸能

『愛は勝つ』『浪漫飛行』など「歌い映えする曲」が支持された1990年代

aaa

アルバム『野球選手が夢だった。』の収録曲だった『愛は勝つ』。『邦ちゃんのやまだつてないテレビ』(フジテレビ系)などのテレビタイアップで人気となり、シングルカットされ、大ヒット

 CDが売れなくなり、サブスクリプションサービスやYouTubeなどで音楽を楽しむ人が増えている今。「青春時代はCDをせっせと買い集めていたな……」と、1990年代を懐かしく振り返る人も少なくないのではないだろうか。

 日本のCD市場の盛況は1990年前後が入り口だとされている。そこから、ミリオンヒットが連発する空前のCDバブル期へ突入する。そんな31年前には、どのような楽曲がはやっていたのだろう。

 1990年の音楽業界ではCDがレコードにとって代わり、さらには歌番組が立て続けに終了。その代わりにテレビのドラマ主題歌や番組テーマ曲などにJ-POPが採用された。街にカラオケボックスが増え、聴くだけでなく、歌って曲を楽しむカルチャーが広がり始めていた。

 そんな中でヒットランキングを賑わしたのが、KANの『愛は勝つ』、米米CLUBの『浪漫飛行』といったカラオケで“歌い映えする曲”だった。音楽評論家のスージー鈴木さんはこう振り返る。

「元気で前向きなガンバロウ系の歌詞で、しかも気持ちよく歌えるコード進行としてカノン進行を採用する曲が多かったのもこの時期の特徴です。

 1990年における“ガンバロウ系ソング”の代表曲が『愛は勝つ』ですが、この曲がビリー・ジョエルの『アップタウン・ガール』を参考に作られたことは有名です。

 もっとも、KAN本人にしてみればバブルなヒットは望外で、自身の思いを超えたものだったかもしれません。彼は翌年の『NHK紅白歌合戦』で、モーツァルトを連想させるかつらと扮装で『愛は勝つ』を熱唱していましたが、“この曲はビリー・ジョエル好きな自分がちょっとしたパロディーで作ったもので、真剣な人生応援歌ではないんだよ”とも読み取れるんですよね」

 米米CLUBの『浪漫飛行』は日本航空のCMに使われて大ヒットし、J-POPスターとして広く認知されるきっかけになった。

「実はこれ、1987年のアルバム『KOMEGUNY』に収録されていた一曲で、そこから1990年にシングルカットされた、もともとは米米好きの通が知る一曲だったんです。

 前向きな歌詞にカノン進行、さらに曲調を決めるメロディーの数が多いのも特徴。これは媒体がCDになって曲が大作化する流れに先鞭をつけた曲作りです」(音楽評論家のスージー鈴木さん)

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン